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NYに移住したユダヤ系、過去10年で1割増の154万人

by • November 16, 2012 • Latest News, NY TipsComments (0)12304

Jewish Population in NY Metropolitan Area Is Increasing.

ニューヨークといえば、ユダヤ系と切っても切れない関係にあります。全米50州でユダヤ系人口が最も多いのがニューヨーク州。2011年時点では163万5020人で、州人口に占める割合は8.4%と断トツなんですよ。州別の人口割合での2位をみるとニュージャージー州は50万4450人で5.7%、3位のワシントンD.C.は2万8000人で4.7%ですから。

とはいえ金融危機以来、アメリカからイスラエルへ移住(=aliyah)するユダヤ人が増加中という話もありました。未曾有の経済危機を通じ宗教的、精神的な支柱であるイスラエルへの回帰願望も強まったとも想像できますが、ウォールストリートを襲ったリーマン・ショックも無縁ではないでしょう。NY州も金融危機後に財政赤字が巨額化した結果、補助金が削られ公立大学を中心に学費も引き上げられました。ニューヨークに住む元ベア・スターンズ勤務、今はベンチャー企業のITエンジニアであるユダヤ系の友人も、3人の子供養育費に辟易し「何だか車輪の上を走るハムスターみたいだ」だなんて両手をあげていましたっけ。

理由はともあれNY、ニュージャージー、コネティカットのトライステートからの移住者数、2004年はわずか441人だったものの2009年には3倍以上も膨らみました。

▽トライステートからイスラエルへ移住した人数の変遷

2004年→441人
2005年→796人
2006年→989人
2007年→927人
2008年→1041人
2009年→1570人
2010年→1545人
2011年→1479人

ちなみに中銀であるイスラエル銀行は今年の10月29日、政策金利を引き下げ2.0%に設定しました。国内総生産(GDP)に占める輸出の割合が37%なだけに、米国の景気鈍化や欧州ソブリン危機の影響をもろにかぶっていることは想像に難くありません。それでも2012年の成長率は3.5%と予想されており、7-9月期に足元4年で2回目のリセッションに陥ったユーロ圏、7-9月期に成長ペースが回復した米国でも速報値で2.0%と3%に届かないなかでは(2.8%辺りの上方修正が見込まれていますが)、立派な数字にみえます。

 

ではイスラエルからNYへの人口流出には歯止めが掛かったのかというと、むしろ増加しているんです。

 

こちらによると、NY都市圏在住のユダヤ人は、過去10年間で140万人から10%増加し154万人に及びました。NY市にサッフォーク、ナッソー、ウェストチェスターを含んだ都市圏だけでボストン、シカゴ、フィラデルフィア、ワシントンDC、サンフランシスコを合わせたユダヤ系人口を超えるほどなんですって。単純計算して1年間に1万人ですから、NY、NJ、コネティカットを合わせたトライステートからイスラエルの移住組を差し引いても、NY都市圏のみでざっくり8500人超のネット流入となります。

どんなユダヤ系が増えているんでしょうか。

ニューヨーク・タイムズ紙によると、アッパーウェストに住みアイビーリーグに通う富裕層は鳴りを潜める一方で、ユダヤ教正統派など保守派層が増加中なんですって。2002年時点でユダヤ教正統派は33%だったところ、10年後の2012年には40%に増加しました。

2012時点では、NY市在住のユダヤ系の子供のう73%が正統派だといいます。

興味深いことに、正統派ではないユダヤ系の間では伝統が失われつつあるんです。「過ぎ越しの祭」をはじめ、ユダヤ教徒の行事に参加しなかった世帯は14%と、過去10年間で2倍に増加しました。アメリカでは保守派とリベラル派の二極化が叫ばれていますが、ユダヤ系の間でも同じような現象が発芽しつつあるあるのかもしれません。

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