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【追記】オバマ2期目就任スピーチ、3つのカギが導く4年間

by • January 21, 2013 • Latest NewsComments (0)1097

Obama’s 2nd Inauguration Speech: 3 Keys To The Next 4 Years.

オバマ米大統領の2期目の就任式。宣誓ではよっぽどロバーツ司法長官との相性が悪いのか、「United State Of America」の部分でとちってしまい、1期目と同じくかみ合わない珍場面がみられましたね。

宣誓する父を凝視するマリアから、「パパ噛んじゃダメ!」という叫びが聞こえそうでしたが・・。
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一方で演説はさすが流麗かつ雄弁。詳細はこちらでご覧になれます。

予想外に具体的な指針を盛り込んだ演説には、今後の4年という未来の扉を開ける3つのカギが託されていました。

まず第1点として、移民政策。

演説では「Our journey is not complete until we find a better way to welcome the striving, hopeful immigrants who still see America as a land of opportunity(アメリカを依然として機会の与える国とみなし努力を重ね希望に溢れる移民を歓迎するという、より良い道筋にたどり着くまで、我々の旅路は完結しえない)」

と明確に発言しておりました。2012年の米大統領選でラテン系の71%がオバマ米大統領の再選に投票したことへの、返礼といえるでしょう。また、1期目で移民政策への抜本的な改革が進まなかったことへの反省とあらためて挑戦する意思を固めた言葉と受け止められます。

就任式典で登壇者をみても、移民政策への配慮は明らかです。バイデン副大統領の宣誓式には、2009年に最高裁判所・判事に就任したばかりのプエルトリコ系、ソトマイヨール氏が起用されました。就任式恒例の誌の朗読でも、キューバ系移民で同性愛者としてカミング・アウト済みのリカルド・ブランコ氏(44歳)に白羽の矢が当たりましたよね。

さらに、同じくキューバ出身でセント・ジョンズ・エピスコパル協会の牧師を務めるドクター・ルイス・レオン氏が捧げた祈祷には、人種、性別、社会的地位、そして性的嗜好に関係なく市民生活を営める国に神のご加護あれといった言葉が含まれていたんです。同牧師はしかも「ボンジュール」、「ナマステ」、そして「ブエノス・ディアス」と各国の言語での挨拶をもじり、融和を提唱する徹底ぶりでした。

詩人リカルド、こんな晴れ舞台で朗読する機会に恵まれるとは思ってなかったでしょう。
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第2に、同性愛者の権利。

演説では「”Our journey is not complete until our gay brothers and sisters are treated like anyone else under the law”(同性愛者の兄弟や姉妹が法の下で同等に扱われるまで、我々の旅路は終わらない)」

と決意を込めておりました。しかも1969年のニューヨークはウェスト・ビレッジのストーンウォール・インで起こった事件を取り上げたんです。「ストーンウォール・イン事件」とは1969年6月28日、強制捜査に踏み切った警察官と、それに立ち向かった同性愛者と起こった闘争を指します。全米に、同性愛者の権利を求める運動が広がる発端となりました。ストーンウォール・イン事件を語る際には、1848年に開催された女性の権利向上を求めるセネカ・フォールズという会合、1965年にアラバマ州セルマを舞台に公民権運動のデモ行進の最中に発生した血の日曜日事件と並べ、全米における人権活動の中核と称しておりました。

最後に、社会保障。

演説では「The commitments we make to each other — through Medicare, and Medicaid, and Social Security — these things do not sap our initiative; they strengthen us. They do not make us a nation of takers; they free us to take the risks that make this country great.(高齢者向け医療保険であるメディケア、低所得者層向けの医療保険であるメディケイド、そして社会保障を通じ我々が交わした確約は、我々の主導力を奪うのもではなく強めるものだ。こうした確約は我らが国を受給者の国家とするわけではなく、この国が偉大たるべきリスクを取る負担を軽減する)」

お気づきになりましたか。「takers=国家の庇護を受ける者」という言葉は、ロムニー元候補の副大統領候補に選んだポール・ライアン米下院予算委員長が発したものです。ライアン氏は、2012年の米大統領選挙中に、「全米の60%が受給者(takers)で、国家に貢献する者(makers)ではない」と発言してましたよね。これをもじり、債務上限引き上げ案で社会保障などを含めた大幅歳出削減を求める共和党側に、痛烈なジャブを放ったわけです。

就任式でブーイングされたライアン米下院議員、ロムニー元候補より出席しただけ上等です。
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米債務上限引き上げ案で共和党は今週、3ヵ月間の引き上げ案を可決する方針です。これには当然ながら、社会保障を含む大胆な歳出削減が盛り込まれております。すでにペロシ米下院院内総務は「インチキ」と真っ向から反対してますし、今回のオバマ演説での警告を振り返っても、スンナリ解決するとの期待は尚早でしょう。

オバマ米大統領をキャプテンとする2016年への旅路は、今始まったばかりです。

【追記】

ホワイトハウスのカーニー報道官は22日、共和党が主導して採決予定の債務上限3ヵ月引き上げ案につき可決した場合にオバマ政権は法制化を阻止しないとの見解を明らかにしました。拒否権を発動しない意向です。もっとも、仮に米上院でも無事通過しても、今度は自動歳出削減の問題が3月に浮かび上がります。5月半ばには再び缶蹴りのように先送りした債務上限引き上げ交渉に直面するでしょうし、先が思いやられますわ。

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