Fox News January Demo Rating Hit Lowest Since 2011 And Here Is Why.
アメリカでのケーブルTV報道といえば、保守系フォックス・ニュース。しかしオバマ米大統領を旗手としてアメリカにリベラルの波が押し寄せるなか、フォックス帝国に不穏な影が挿しつつあります。
フォックス・ニュースの番組は、11年連続で視聴者数で王座に君臨していました。とはいえ、視聴者数は6%減、コア年齢層である25-54歳の間にいたっては22%も急減しました。コア年齢層での視聴者数は、2001年8月以来で最低に落ち込んだといいます。2001年といえば、ご存知のように同時多発テロ事件が発生しブッシュ大統領(当時)率いるアメリカが右傾化した節目に当たる点が、興味深いですね。日本でも「ネオコン」という言葉が、たびたびお茶の間で登場する時代を迎えてましたっけ。
リベラル寄りに槍玉にあげられがちなフォックス、王者たる悲哀か。
2013年1月の数字をケーブル局別で切り取ると、視聴者数平均は1位のフォックスが160万人、MSNBCは79.0万人、CNNは66.4万人でした。コア年齢層になると、王者フォックスと以下のケーブル局の差は一気に縮小します。フォックスは26.7万人、MSNBCは23.5万人、CNNは20.0万人でした。
2位のリベラル派ケーブル局MSNBCの台頭が、特に著しいんです。同性愛者としてカミング・アウト済みのレイチェル・マドウが司会を務めその名も「レイチェル・マドウ・ショー」は、前年同月の14位から10位とトップ10に食い込みました。大健闘を果たしております。ちなみにMSNBCがどれだけリベラル派かといいますと、黒人の間では3年連続で視聴者数トップを樹立させてるんですよね。
リベラル派の台頭が垣間見れた結果は・・・1月の数字という点がポイントなんです。
そう、オバマ米大統領の就任式が21日に開催されましたよね。MSNBCとフォックスとの間で明暗が分かれた主因は、これに尽きるでしょう。
もっとも、フォックスが帝王の地位で安穏としていられないことは事実。CNNは先日、ABCの人気番組「20/20」の司会者であるクリス・クォモの引き抜き発表し、番組改編を打ち出してきました。フォックスの牙城を崩すべく、MSNBCも攻勢をかけてくること必至です。フォックスの名物司会者であるビル・オライリーも63歳ですからあと15年もすれば引退も考えられ、ネットなどメディアの多様化もあり、独走態勢が今後何十年も続けられるかは疑問が残ります。
アメリカでの人口動態をみても、フォックスの将来が明るいとはいえません。
ピュー・リサーチ・センターの調査によると、アメリカの人口のうち白人の人口が占める割合は2011年時点の63%から47%と過半数を割り込む見通しに対し、オバマ再選に貢献したヒスパニックは17%から29%へ上昇すると見込まれています。
1月はオバマ米大統領の2期目就任式という下駄を履いていたとはいえ、今回の数字はリベラル時代の幕開けを示唆しているのかもしれません。
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