The Party Is Over : Fashion’s Night Out Has Cancelled.
ファッション・ナイトアウトといえば、ヴォーグ誌の鬼編集長、アナ・ウィンター氏の発案で2009年に開始したファッション・ウィーク前夜祭イベント。東京にも上陸しているようなので、ご存知の方も多いはず。
リーマン・ショックという激震が走ってから1年後、未だリセッションにあえぐアメリカにて肝煎りで花開いた祭典は、ファッションに夜のパーティ風味をまぶし、潜在顧客を掘り起こすねらいがあったはずです。ところが・・・2013年2月のファッション・ナイトアウト(FNO)を最後に、主催者が サイトでNYをはじめ米国で中止を発表いたしました。
FNO、今では東京を含め500都市に拡大していたのですが・・。
NYでは毎年、各店舗で午後6時頃から午後11時までノンストップでエンジン全開。モデル風の色男がシャンパンを載せた銀のトレイを持ってブティック内を縫い、有名DJがスピンし、セレブが花を添えてきました・・・が、いかんせん参加する各ブランドのコストはうなぎ上りな一方で、集客が収益につながらなかったのでしょう。大抵のニューヨーカーがFNOで期待するのは、無料でもらえるトライアル・キットとセレブに会えるという特権くらい。かくいうワタクシも、取材に各店舗を訪れるくらいで買い物なんてした試しはありません。
声明では、「各ブランドがそれぞれの具体的な優先事項に沿った予算とプロジェクトに焦点を当てられるよう、今回の決断を下した(We made this business decision so that retailers can now focus their budgets on projects more in line with their specific priorities)」と説明しております。
確かに、各小売店のコストはハンパなかったと予想されます。特に有名ではない知り合いのDJでも2-3時間で1500ドル(約14万円)を軽く稼ぐといいますし、セレブ出演という協力を頼もうものなら、何千ドルが飛ぶこと必至。キム・カーダシアンのナイトクラブのギャラが2010年時点で7万5000ドル(約705万円)だったことを踏まえると、プラチナ級の有名人なら恐ろしいまでの金額になってしまうでしょう。
超高級レーベルなら、バッグ数個で元が取れる場合もあるでしょう・・・が、参加した1000店舗すべてがラグジュアリー・ブランドなわけはなく。宣伝が必要な新規参入組は元が取れないどころか、大赤字を計上したところもあったはずです。
しかも、去年はFNO開催中の9月7日午後11時15分頃、白のアウディを運転していた男性とFNOに出陣していた若者が口論となり、アウディがボコボコにされるという事件もありました。
アウディに飛び上がる少年達・・窓も粉々に砕かれてます。
FNO主催者であるヴォーグ誌、米国ファッション協議会、NY市観光局、目の付け所は悪くなかったんでしょうけど、FNOが急速に非広がり過ぎて収拾がつかなくなったことも事実です。ちなみにファッション・ウィーク自体は、開催1週間でNY市に7億3300万ドル(約690億円)の経済効果を挙げるといいますから続行は間違いないでしょうが・・・アメリカでFNOが復活するのは、ちょっと時間がかかりそうです。
以下の国では、FNOは継続する見通しです。日本も残るんですね~。
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