Change Image of Yourself : Great Job, Dove.
泣く子も黙るヴォーグ誌でwebデザイナーとして勤務した経歴をもつ男性。見た目は10人前なのに、こんな不遜なことを言い放ち、私を驚かせてくれました。
「モデルと飽きるほど付き合ったけど、飽きちゃったよ。だって『君はそれほど美しくない』って存在を否定してやれば、大抵なびいてくるんだから。」
誤解しないで下さい。ヴォーグで勤務していた当時、彼はまだ30代前半で、確固たる地位を築いていたわけではありません。むしろ華やかなランウェイやシューティングとはほど遠く、オフィスでせこせこと写真ファイルやフォントをいじる裏方でした。そんな彼が出会う女性達は誌面のトップを飾るスーパーモデルではなく、むしろ仕事の知り合いを通じてBARやクラブで出会うタイプ。売り出し中から、大衆向け百貨店メイシーズのチラシに登場するクラスのモデルさん達だったんです。
とはいえ頭ひとつ背が高く、ひときわスリムな姿はストリートを歩けば振り返る人は一人や二人でもなく。そんな彼女達でも、デート相手からの思いがけない一撃にはノックアウトされてきたんですって。「君はそれほど美しくない」--この魔法の呪文を唱えると、女性側に有利かにみえた力関係は瞬く間に180度反転してきたそうです。
女性が外見にいかにコンプレックスを持っているかが、うかがえますねぇ。
こうした女性心理を上手に利用し、英蘭系ユニリーバが送るボディケア製品ブランド「ダヴ(Dove)」はかれこれ7、8年前から広告戦略を大きくシフトさせました。「美について考えるキャンペーン(Real Beauty Campaign)」と題し、海外でいう「ゼロサイズ」、日本でいうサイズ5号の痩せ過ぎ女性を排除し、世間をあっと言わせたんです。
英国では、「シワだらけ」か「すばらしい」かを尋ねるシャレの利いたCMを展開。
「美について考えるキャンペーン」のひとつである「エボルーション」は、カンヌで2007年で広告大賞の快挙を果たしました。2013年になっても、「ダヴ」は手を変え品を変え、女性啓発キャンペーンを続けます。今回のコマーシャルは、キャンペーンでの最高峰とも称えられる傑作ですよ!
まずは動画をご覧下さい。
FBIの似顔絵師と、カーテンで仕切られた女性。似顔絵師は女性に自身の容姿について質問を次々ぶつけながら、女性自身からみた自分の顔の認識と、女性が他者から女性自身の顔について表現された言葉を通じ女性の似顔絵を二通り描くんです。
出来上がった2枚の絵をみて、女性はビックリ仰天!
自分から見た自分の顔(左)は険しい顔つきに対し、他人からみた自分の顔(右)は柔和なトーンに。
直球で女性に自尊心が不足しているかを伝え、自分をもっと愛するよう訴えかけているんです。
製作した広告代理店オギルビーの担当者いわく「統計によると、世界の女性の4%しか自分の容姿に満足していない。逆に言えば96%は不満を抱えており、我々はここに着目した」――お見事な狙い撃ちです!一部では「表面的過ぎ」と批判も出ているようですが、私は好きです。
え?男性バージョンはないのかですって?
ご安心下さい。パロディがございます。
あははははは。女性とは反対に、男性は自信過剰でそれぞれ自分からみた自分の顔はブラッド・ピットをはじめとした極上のイケメン俳優なのに、女性からみた男性の顔は凶悪犯のよう!
広告とパロディという違いがあっても、自己愛における男女差が手に取るように分かりますね。
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