No Smoke Without Fire : Hilsenrath Dropped 2 Articles Last Weekend.
やっぱり9日の噂、火のないところに煙は立たぬということだったんですね。
ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙は11日、ジョン・ヒルゼンラス記者の署名記事にて「Fedは緩和策からの出口を計画(Fed Maps Exit From Stimulus)」と報じました。
要は毎月850億ドルの資産買入を「停止に向けて注意深く縮小させていく」という、至極もっともなお話。もちろん、時期については「依然として協議中」と記すにとどめ、明確に示してません。
資産買入の縮小の記事につき、ワタクシからみたポイントは、
1) 労働市場の改善とインフレ動向(2大統治目標やねんから当たり前!って突っ込まれそうです)
2 ) 2003-06年にかけ17回連続で25bpずつ、段階的かつ予見できる方法は回避(柔軟性は保たないかん!)
3 ) 米株/米債の過熱(ようはバブルを抑え)および急落を阻止
の3点。米株のアゲアゲっぷりをみていると、3)については今さら感がぬぐえません。だからこそ、バーナンキFRB議長は10日、シカゴ連銀主催の銀行関連の年次会合にて、質疑応答で「FRBがバブルを常に認識できる可能性は低い
5月FOMC声明文では資産買入の拡大あるいは縮小どちらも可能との文言を追加してましたが、米4月雇用統計・非農業部門就労者数が16.5万人増と巡航速度ペースを示し、失業率も7.5%と2008年12月以来の水準へ改善してちゃ、拡大を想像する方々は少ないってもんです。6月18-19日のFOMC後のバーナンキ議長の記者会見を待つまでもなく、5月22日の米上下両院合同経済委員会での議会証言がキモですかね。
ではエコノミストはどのようにみているかといいますと。WSJ紙の調査では、55%のエコノミストが「今年の下半期」、45%が「2014年かそれ以降」と予想していました。意外に拮抗してます。
個人的には、記事中でダラス連銀のフィッシャー総裁やフィラデルフィア連銀のプロッサー総裁などタカ派のFedメンバーの発言だけ取り上げていたのが、気になりました。シカゴ連銀のエバンス総裁の9日の発言はブルームバーグとのインタビューだったからスルーしたのか・・いずれにしてもサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁の発言なんかも盛り込んで、タカハトのバランスを取ってほしかったですねぇ・・。
で、ふりかぶって12日はといいますと。
2014年1月末でバーナンキFRB議長の任期切れを迎えるため、後任は誰だ!ということで。ヒルゼンラス記者は大方の予想通り「Janet Yellen, a Top Contender at the Fed, Faces Test Over Easy Money」、ジャネット・イエレン副議長を挙げてました。イェール大学で博士号を取得したイエレン女史、Brooklyn in the house~♪と両手を空に掲げたくなるブルックリン出身の66歳。サンフランシスコ連銀総裁時代に、早くからサブプライム問題を背景とした住宅バブルに警鐘を鳴らした一人で、エコノミスト諸氏からの評判はすこぶる高い。一方で大恐慌時代を繰り抜けた両親の元で育った彼女は、ハト派として知られインフレより失業率を重視しているとの指摘もあります。
モルガン・スタンレーで米国主席エコノミストを務め、グリーンスパン前FRB議長時代を中心に金融政策部長だったヴィンセント・ラインハート氏は、WSJ紙に対し「私がホワイトハウスの主なら、初の女性を議長に指名するという幸運を享受するだろう」とコメントを寄せてました。学歴もバーナンキ議長を上回るほどと評価する一方で、「マーケットは(失業率に重点を置くイエレン副議長の議長就任に)神経質なようにみえる」とも付け加えます。
他にもイエレン副議長の議長就任で、元リッチモンド連銀の総裁であるブローダス氏はFedがインフレ・ファイターとしての信頼性を失うのではと懸念を表し、現役のセントルイス連銀の総裁であるブラード氏も失業率を重視するスタンスにつき名指しを控えながら「良い考えではない」との発言が紹介されてました。
WSJ紙のエコノミスト調査でといいますと、38人中29人がイエレン副議長を後任と予想しています。
グリーンスパン前議長の片腕だったコーン前副議長、ファーガソン元副議長に、サマーズ元財務長官などが顔をそろえます。
個人的には、ガイトナー前財務長官の登板を押したい!。約半年前に、ベテラン日銀ウォッチャーにそんな話をしたら爆笑されちゃいましたけどね。いえね、財務省から転出させ2003年からNY連銀総裁、09年に財務長官を歴任し、これで隠居なんて早過ぎますでしょ。ボルカー元FRB議長のように、財務省とNY連銀を行き来してFRB議長に就任した歴史もありますし。NY連銀総裁就任がブッシュ政権、財務長官着任がオバマ政権なんで、両党とのパイプもあるでしょう。何より、51歳の男盛り。グリーンスパン前FRB議長のような長期政権も夢ではありません。出口政策という未踏の領域に踏み出すには、やはり金融危機収束に尽力した大物・・ということで、ワイルドカードとして意識してます。
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