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FOMC議事録、政府機関の閉鎖前からハト派色でQE開始見通しも後退

by • October 9, 2013 • Latest NewsComments (0)356

 September FOMC Minutes : The Return Of The Dove.

米連邦準備制度理事会(FRB)が9日に公表した9月17-18日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、前回に続き大半のメンバーが年内の量的緩和(QE)縮小と2014年半ばの終了を見込んでいました。一方でQE縮小については「際どい判断」だったんです。9月にQE見送りを主張したメンバーは「労働市場に明白な改善がみられたものの、他の経済指標は失望的だった」点に着目。証左として経済見通し・FF金利見通しは多くのメンバーが下方修正しており、住宅市場や予算協議こう着に伴う「短期的な不透明性」を挙げていました。また、QE縮小を通じ「追加的かつ不当な金融引き締め効果を与える」と判断。QE縮小の発表により「まちまちな経済指標結果でも、非常に高い緩和策から出口政策へ踏み込む第一歩へ積極的に進む」といった誤解を招くとし、縮小見送りを決定したと説明しています。

逆に、QE支持派は1)労働指標の改善、2)QE縮小見送りに伴うコミュニケーション効果のはく落への懸念――を根拠としていました。

QE縮小見送り、映画「ウォール街」のゲッコーならどう反応したんでしょうね。
gekko

その他キーポイント

QE縮小の選択肢
・数人のメンバーは、住宅市場を支援するため住宅ローン担保証券(MBS)を排除し米国債のみでの実施を主張。
・MBSと米国債での縮小を求める見解も存在
・QE縮小ペースや内訳などへの不透明性を排除する手段として、1人のメンバーは「失業率の水準に機械的に連結する」手段を提唱

FF金利水準のフォワード・ガイダンス
・コミュニケーション手段を明確にする戦略を検討
・数値目標である失業率6.5%、インフレ率2.5%に到達した場合の対応についての追加説明という選択肢を薦める声も
・1人のメンバーはインフレのレンジを挙げる選択肢を提案
・一方で、失業率の数値目標6.5%の引き下げ案に言及なし

経済見通し・FF金利見通しで2016年金利見通し
・複数のメンバーは説明の必要性を指摘
・FRB議長の記者会見と議事録が有効な手段と認識
・2人のメンバーは、「経済を支援するため緩和的な政策を長期にわたって行うとの確約」を反映すると論じる

政府機関と債務上限引き上げ交渉のこう着
・多くのメンバーが「政府機関の閉鎖や債務上限の引き上げなど数ヵ月先の財政政策の道筋に不透明性が強まり、経済見通しに下方リスクを与える」と指摘
・1人のメンバーこそ、強制歳出削減の影響は比較的軽微と判断
・足元の予算協議こう着から派生する景気減速リスクへの、警戒スタンスも確認
・経済見通しについても、1)大幅な金利上昇、2)強制歳出削減など財政政策の重し、3)予算協議――といった大いなるリスクがくすぶると懸念

労働市場
・失業率の低下は1)労働参加率の下押し、2)低水準にある労働生産性――によって実体以上の改善を表す可能性
・国民所得については国内総生産(GDP)をいく分上回るペースで増加しているため、経済実態を示す材料となりうる
・1人のメンバーは構造上の問題を挙げており、長期失業者における再就職率の低下が問題を物語っているとも指摘。

金利上昇
・金利上昇については複数のメンバーが一段の引き締め、特に住宅ローン金利の上昇を確認し住宅市場の回復の重しとなるリスクに懸念を表明
・数人のメンバーは長期金利の上昇は他の資産価格に大きな打撃を与えておらず、経済への影響も限定的と判断

以上を振り返ると、ハト派寄りへシフトした感がぬぐえません。エコノミスト諸氏の見解も、にじむハト派色を受けてQE縮小見通しに変化の兆しがみえてきました。

バークレイズのマイケル・ギャピン米エコノミスト
当方は12月のQE縮小見通しを維持するものの、政府機関の閉鎖と債務上限引き上げ交渉のこう着が続けば2014年1-3月期あるいはそれ以降の成長を下押ししかねないと考えている。従って、QE縮小は2014年に後ろ倒ししかねない。またQE縮小の基準については、失業率の改善が労働参加率の低下によって実体以上に改善を際立たせている事情からか、「失業率7%」との数字を協議していない点が興味深い。QE縮小を決定する上での尺度として、FOMC内でコンセンサスが形成されていないのかもしれない。

JPモルガン・チェースのマイケル・フェローリ米主席エコノミスト
QE見送りが「際どい判断」で議論が真っ二つに分かれ、後ろ倒しにした場合の問題点はコミュニケーションへの信頼性と透明性に集約するのみ。今後の経済指標の発表スケジュールが確定しておらずFRBが指標をどう判断するかも不透明となっている現状で、当方は12月QE縮小の確率を30%、14年1月の確率は25%、同年3月は25%、同年3月以降は20%を見込む。

モルガン・スタンレーのビンセント・ラインハート米主席エコノミスト、エレン・ゼントナー米エコノミスト
9月FOMCは政府機関の閉鎖前だった。政府機関の閉鎖に伴う経済指標が疑問視され、信頼性も損なわれる公算が大きい。11月まで指標発表を待たねばならない懸念もくすぶる。イエレンFRB副議長が議長に就任すればマクロ経済に重点を置いたアプローチが見込まれ、住宅ローン金利の上昇に敏感になるだろう。以上の点を踏まえると、12月のQE縮小は10%程度にとどまる。

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