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10月FOMC声明文、ほぼ変わらずもアノ部分を削除

by • October 30, 2013 • Latest NewsComments (0)538

October FOMC Statement : No Trick Or Treat, Just Less Dovish.

米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文、公表されました。

ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙が報じたFOMC前の恒例、見通し記事では「今回は変更なし、量的緩和(QE)縮小への目標設定を協議する方針」とビクトリア・マクグレン記者が伝えていたように、マーケットは無風で終わるという見方が大勢でした。FOMC影の番長との声が高いジョン・ヒルゼンラス記者執筆ではなかった点も、重要です。まぁお2人の連名で、29日付けWSJ紙でFOMCの注目点をまとめていましたが・・。

結果をみると、今回のFOMC声明文は確かに9月FOMC声明文とほぼカーボン・コピー状態。ただし、マーケットが期待するより、心持ちハト派色が薄れた内容とされています。

では、主な変更点をみてみましょう。

【景況認識】
前回:「経済活動は緩やかなペースで拡大してきた」

今回:「緩やかなペースでの拡大を続けている」
※1-3月期国内総生産(GDP)は1.1%増、4-6月期は2.5%増。平均するとダドリーNY連銀総裁が「フォワード・モメンタム」として言及した2%以下の成長率にとどまる。7-9月期GDP予想は、ブルームバーグ調査で1.8%増。緩やかな成長が続くかたわら、活発化する様子はみられず。

前回:「一部の労働指標の動向はここ数ヵ月でさらなる改善を示した」

今回:「ある程度、さらなる改善を示したが」
※9月失業率は7.2%と2008年11月以来の改善を遂げる一方で、9月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)は14.8万人増と4月以降で2番目に低い伸びにとどまった。また米新規失業保険申請件数はカリフォルニア州のシステム更新、および政府機関の閉鎖で増加している。

前回:「家計支出と企業の固定投資は拡大し、住宅市場はさらに強まり続けているが」

今回:「入手した経済指標によると住宅市場の回復は足元数ヵ月の間でいくらか鈍化した一方、家計支出と企業の固定投資は拡大した」
※「入手した」との文言を追加することで、政府機関の閉鎖による指標発表の遅れを表したと見込まれる。住宅市場は米9月中古住宅販売件数が3ヵ月ぶりに減少し、先行指標となる中古住宅販売成約件数指数も4ヵ月連続で減少。金利上昇と政府機関の閉鎖、予算交渉こう着の影響が及んで減速しており住宅市場の鈍化に言及。

前回:「住宅ローン金利はさらに上昇し」

今回:削除
※9月FOMC時点まではFedのQE縮小準備とともに住宅ローン金利が2011年8月以来の高水準へ上振れし、米MBA週間住宅ローン申請件数指数が7週続落していた。もっとも、QE見送り後は米10年債利回りが約3ヵ月ぶりの水準へ低下し、住宅ローン金利もつれて下向きを示す。

【統治目標の遵守について】
前回:「ここ数ヵ月間で確認された金融引き締めの状況が仮に続けば、経済と労働市場の改善ペースを鈍らせかねない」

今回:削除
※QE見送り決定に伴い米10年債利回りが9月6日時点の3.01%から10月24日までに2.47%まで低下し、7月以降の上昇分を打ち消したため金利上昇への悪影響に関する文言を削除。

【量的緩和策について】

前回:「連邦政府の財政削減を考慮に入れると、委員会は1年前に資産買入を開始してから、経済全般の強さに従って経済活動と労働市場の改善を確認している」

今回:「過去1年間にわたる連邦政府の財政削減を考慮に入れると、委員会は資産買入を開始してから、経済全般の強さに従って経済活動と労働市場の改善を確認している」

※年末が近づき財政の崖からほぼ1年を迎え、連邦政府の財政削減に「過去1年にわたる」を追加。QE3の開始が9月であるため、資産買入を開始につき「1年前」とする部分を削除。

変化なし

※財政引き締め効果への懸念を挿入するとともに、買入縮小が経済指標次第とのスタンスを強調。買入縮小が既定路線ではなく、カレンダー次第ではない点を示す。

【政策金利について】

※QE終了後も低金利を継続させるスタンスを、前回に続き表明。2012年12月に導入した数値目標、すなわち「1-2年先のインフレ率の見通しが2.5%以下、失業率が6.5%以上」の水準を続ける限り「例外的な低金利」政策を維持するとあらためて説明。そのほかの労働市場、インフレ動向および見通し、金融市場の動向と照らし合わせ、金融緩和の解除の判断材料とする。

【票決結果】

今回:地区連銀の投票メンバーは2013年、セントルイス連銀のブラード総裁、シカゴ連銀のエバンス総裁、ボストン連銀のローゼングレン総裁、カンザスシティ連銀のウィリアムズ総裁。反対票は、前年のリッチモンド連銀のラッカー総裁に代わり同じくタカ派で知られるカンザスシティ連銀のジョージ総裁で、長期的な緩和政策に反対票を投じた。

エスター・ジョージ総裁、カンザスシティ連銀の伝統に則りガチガチのタカ派。
george

エコノミストのレビューはといいますと。

BNPパリバのジュリア・コロナド米国担当主席エコノミスト

米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文は、小幅な修正にとどまった。全体的に前回どおり、経済指標次第での政策運営を行うとのスタンスを打ち出している。景況については「全般的に(generally)」、労働市場には「ある程度(some)」との文言を加え、鈍化あるいは不透明性の強まりを示した。金利上昇の文言は低下へ転じたため削除した一方、住宅市場は鈍化を盛り込んでいる。

下方リスクについては「減退した」との文言を維持。前回9月に差し込んだ「ここ数ヵ月間で確認された金融引き締めの状況が仮に続けば、経済と労働市場の改善ペースを鈍らせかねない」を削除したが、これは1)金利低下、2)株価上昇、3)信用スプレッドの縮小――を反映したものだろう。委員会は反対に前回採用した「買取ペースを調整する前に持続的な進展となる証拠が出てくるまで、待つことを決定した」との文言を維持しており、楽観的とすらいえる。ただし当方はさえない経済指標が続くと見込んでおり、QE縮小見通しを14年で3月で据え置く。

バークレイズのマイケル・ギャピン米エコノミスト

FOMCは大方の予想通り、声明文にほとんど修正を加えなかった。9月のFOMC声明文で使用した「買取ペースを調整する前に持続的な進展となる証拠が出てくるまで、待つことを決定した」と文言を維持。あえて、7月FOMC声明文にあった「労働市場の見通し次第で資産買取の増減を調整する」といった前回よりハト派寄りな文言を取り入れなかった。QE縮小への方向性を貫いたといえよう。当方は、ハト派寄りの文言へ傾く可能性を見込んでいない。住宅市場に関する文言の変更も、改善ペースの鈍化を反映させただけだった。

FOMCは今回の声明文で、12月にQE縮小に踏み切る余地を残したともいえる。ただし、12月まであと2回の米雇用統計で強い就業者数の伸びを確認できるか、財政問題の重しが払拭されるか、インフレが上向くか不透明だ。当方は次回会合までにテーパリングを正当化する経済指標を入手できないと見込んでおり、引き続き14年3月の縮小開始を予想する。

以上の通り、FOMC声明文を受け少なくともエコノミストは見方を変更せず。米株市場はハト派期待が失望に変わって売りで反応したんでしょうが、高値疲れが出てきた可能性も否めません。

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