Maria Bartiromo : Farewell To CNBC, Hello Fox Business Netowork.
経済金融専門局CNBCの名物番組「クロージング・ベル」の司会者で同局の看板キャスターのマリア・バリチェロモ(46歳)が、勤続20周年を機に古巣から去ってしまいます。ドラッジ・レポートが18日に先駆けて報じた後、CNBCも声明で「20年に及ぶ革新的な業績を残したマリアは、契約が終了する11月24日をもって退社する」と認めました。
マリアは、1993年に同社入りし1995年にニューヨーク証券取引所(NYSE)のトレーディング・フロアから女性として初めて生中継を敢行した人物。こちらでは「Money Honey」との愛称で親しまれ、美貌を誇るだけでなく女性の金融レポーターとして後続へ道を切り拓いてきたツワモノです。ちなみに伝説のロックバンド、ザ・ラモーンズのジョーイ・ラモーンズは、類まれなる華麗な容貌にメロメロになったのかズバリ「マリア・バリチェロモ」なんて曲を捧げておりました。
新天地は、フォックス・ビジネス・ニュース(FBN)。親会社のフォックス・テレビジョン・ステーションズの会長がCNBCでの元上司でレポーターとしてのキャリアへ導いた恩師、ロジャー・アイレス氏ですから当然の成り行きといえるでしょう。またビジネス・ニュースだけでなく、一般ニュースを取り扱うフォックス・ニュースにも登場しますから、マリアにとってはお茶の間への進出を果たすメリットもあります。
マリアといえば、百戦錬磨でやり手な女性ですからFBNでも大活躍すること間違いナシ。2006年4月末、米連邦準備制度理事会(FRB)議長に就任してまもないバーナンキさんにホワイトハウスの年次記者晩餐会で遭遇し、当時のオフレコであろう会話を元に「Fedはあと1回追加利上げをする」とスクープしたのは、今でも脳裏に焼きついています。
夫は、ウィズダム・ツリー・インベストメンツのジョナサン・スタインバーグCEO。
(出所 : corbisimages)
CNBCでの年収は200万-300万ドル(2億-3億円)と推算されるマリア。FBNにとっては、大金を投じるだけに視聴率改善のテコ入れとして期待が大きい。なぜなら、25-54歳のコア年齢層の平均視聴者数は前週に1万人割れと、CNBCの3万1000人の3分の1以下の惨憺たる結果に終わっていたんです。7-9月期には前年比24%減と不振だったCNBC以上に、FBNは36%減の9000人と落ち込みも激しかった。
FBNはマリア以前にも2010年にCNBCから敏腕レポーターのチャーリー・ガスパリーノ、2011年にはCNNから名物司会者ルー・ダブをライバルから引き抜いて来ました。ただビジネス・ニュース全般の視聴者数が下火のなか、状況は変わらなかったんですね。マリアの投入で、劣勢を挽回できるのでしょうか。
日本ではTV東京「ワールド・ビジネス・サテライト」の小谷真生子キャスターが2014年3月に卒業し、大江麻理子アナが起用されるんですよね。奇しくも、日米で名物女性司会者の一時代が終幕する時期が重なったのは興味深いです。
(カバー写真 : Gettyimages)
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