Just Another Cyber Manic Monday : New Sales Record And Less Spending.
感謝祭明け初めての月曜といえば、祝日明けに職場に戻った社員が会社のパソコンでネット・ショッピングを楽しむことで知られ、年間でネット商戦がもっとも活況となる日です。IBMによると、今年のサイバー・マンデーの売上高は前年比20.6%増。2012年の30%増、11年の33%増から伸びは鈍化しつつ、2桁増トレンドを守り抜きました。
平均の注文額は1.8%減の128.77ドル(1万3240円)。インターネット調査会社コムスコアが発表したブラック・フライデーの平均支出額の135.27ドル(1万3910円)には、届きませんでした。ただし総売上高ではサイバー・マンデーが過去最高を記録したブラックフライデー(15%増、12億ドル)を31.6%上回ったんですね。
スマートフォンとタブレットの普及により、携帯端末がオンライン・ショッピングをけん引しています。アクセス数はオンライン全体の31.7%を占め、2012年のシェアを45%上回りました。売上高でも17%を占め、前年のシェアを55.4%上回っており、携帯端末が買い物の必需品になってきたことが分かります。IBMスマーター・コマースのストラテジー・ディレクターであるジェイ・ヘンダーソン氏が、結果を受け「携帯端末は買い物のお供として選ばれている」とコメントしたのも、むべなるかな。感謝祭からサイバー・マンデーまで5日間の売上高は、16.5%増でした。(なお、IBM調査の詳細はこちらをどうぞ。iOS対アンドロイドの平均支出額や都市別の売上高トップ5などをご紹介しています。)
では、他の調査結果ものぞいてみましょう。
アドビが行った調査によると、売上高は前年比16%増の22.9億ドル(2350億円)と過去最高を塗り換えました。5年連続で更新したものの、調査主任タマラ・ギャフニー氏率いるアナリスト・チームの予想を1%下回ったんですね。売上高のシェアは携帯端末が18.3%(4億1900万ドル)、前年から80%も急伸したかたちです。サンクスギビング・デーからサイバー・マンデーまでの売上高は、26%増の74億ドル(7610億円)。小売店は感謝祭からのわずか5日間で年間売上高のうち1割を稼ぎ上げたことになります。
では、ネット小売大手の売上動向をみてみましょう。
チャンネルアドバイザーによると、サイバーマンデーにおけるアマゾンの売上高は前年比46.2%増、eベイは32%増でした。それぞれ、過去最高を更新したのはいうまでもありません。感謝祭からサイバーマンデーの5日間では、アマゾンが34.9%増、eベイは29.7%増。携帯端末のアクセス数は全体の37.8%、受注は24%を占めていたんです。
以上、ざっと数字だけみると売上高の記録更新やら、2桁増やら、景気の良い数字がズラッと並んで大盛況だった印象が残ります。ひねくれ者のワタクシはというと・・・やっぱり平均注文額。サイバーマンデーの調査で前年比1.8%減だったなんて、心もとないじゃありませんか。アドビの調査でも、サイバー・マンデーの売上高が予想を1%下回ってましたしね。
考えてみると、足元は少なくとも消費に3つの追い風が吹いてたんです。
1)米10月雇用統計での3ヵ月平均は20.2万人増と、12年10月時点の15.5万人増を上回る
2)金利上昇で住宅買い控え、他部門へ支出が振り分けられる期待
3)ガソリン価格が下落(サンクスギビング・デーを挟む週は全米平均3.272ドル、前年は3.437ドル)
寒波が到来して冬物衣料を買い足す必要性が増していたにも関わらず平均支出額が減ったのは、温かくない懐具合を象徴しているような気がしてなりません。
(カバー写真 : mactrast)
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