Holiday Spending Slides, Who Are To Blame?
59丁目と5thアベニューの交差点を舞う白銀のスノーフレークに照らされ、クリスマス気分に酔うニューヨーク。光に彩られる街とは対照的に、ホリデー商戦動向は明るくありません。サンクスギビング・デーからブラックフライデーの週末の1人当たり支出、サイバーマンデーの平均注文額はそれぞれ、前年比割れとなりました。
いったいどの所得者層が支出を手控えているか、気になりませんか?
CNBCの世論調査が、教えてくれます。
全米800人を対象として12月2-4日に行った調査内容をみると、ホリデー支出予定額・中央値は681ドル(7万140円)となり、12年11月当時の742ドル(76430万円)を7.2%下回っていました。ウォルマートやコストコの売上見通しを踏まえると、中低所得者層の支出削減が原因と思うでしょう?ところが・・・もっとも減少幅が大きかった層は、高所得者層!今年のホリデー商戦では「300ドル以下」の削減を見込んでいます(削減幅が大きい理由は、もともとの支出額の母体が大きいからという話もありますが)。
住宅と株価が上昇し資産効果の恩恵を与えられているはずなのに、支出削減とはサプライズです。理由としては、1)財政の崖を受けた所得税増税・給与税減税、2)強制歳出削減の始動の余波、3)医療保険制度改革案の施行に伴う医療費負担増への懸念――などが考えられますが、財布の紐を締めるべきときは締めるというお金持ちたる所以も見え隠れしているような・・。「富める者が富めば、貧しい者にも富が自然と浸透する」というトリクルダウン理論が、ここでも実証されなかったといも言えます。
あらゆる所得層を含め前年と比較し支出を減少させる理由としては、
1位 所得の減少 26%
2位 芳しくない経済動向 22%
3位 貯蓄へ振り向け 16%
4位 元手不足、生活費支払い負担による圧迫 14%
5位 債務上限引き上げ交渉/予算交渉など、議会に対する不安 13%
が挙げられました。1位と4位の回答を読むと、思わずぢっと手を見たくなります。
経済見通しが芳しくないことも、お買い物費用を減らす一因です。
▽向こう1年の経済見通し、()内は2012年11月時点の回答
・良くなる→26%(37%)
・変わらず→40%(23%)
・悪化する→30%(35%)
・分からない4%(4%)
→「良くなる」は今回、08年12月の28%を下回り過去5年間で最低。ただし、「悪化する」は政府機関の閉鎖・債務上限引き上げ交渉でこう着した13年9月の35%からは改善しています。
興味深いことに、収入には楽観的なんですよね。「増加」を予想する声が、明らかに増えています。
▽向こう1年で収入動向見通し、()内は12年11月時点
・減少する→7%(6%)
・変わらず→56%(61%)
・増加する37%(33%)
1-3%増→11%(8%)
4-10%増→15%(13%)
11%増→7%(9%)
不明→4%(3%)
経済見通しと比較すると、その明るさが際立ちます。住宅および株価の上昇トレンド継続シナリオを描いているためで、住宅価格が上昇するとの回答は34%と12年11月時点の24%を上回り、景気回復サイクル期で2番目の高水準でした。株価についても強気に傾いている姿勢がうかがえ、投資のタイミングについて「良い」との回答は59%と12年11月時点の31%を大幅に上回っていました。「悪い」との回答も今回39%と、12年11月時点の48%から低下しています。
収入見通しをみると、資産効果による期待が大きいことが分かります。Fedが2014年も低金利を継続するとなれば、なおさらでしょうね。
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