A Happy New Year : Financial Resolutions For The Rich.
あけまして、おめでとうございます。
今年もMy Big Appleをはじめ、ラジオ日経「北野誠のFXやったるで!」を宜しくお願い申し上げます。
無事に年明けを迎えられ、皆さまは新年の抱負を決められましたでしょうか。
スイスのコンサルティング会社デビアー・グループによると、富裕層の家計に関する抱負のランキングは以下のようになっていました。
1位 定年を前にできるだけ貯蓄を増やす・・・38%
2位 家族、パートナーに金融支援を提供する・・・22%
3位 ポートフォリオの多様化、リスク資産を増やす・・・20%
百万長者の皆さまでも、定年後の生活を不安視していらっしゃることが見て取れます。ナイジェル・グリーン創業者兼最高経営責任者(CEO)は、結果を受けて「寿命が長くなり以前よりも貯蓄の積み増しの必要性が高まっているため、生活費の上昇、低金利、長期的かつ高コストな医療費を懸念している」と説明していました。
それもそのはず。
例えば、米国で個室の老人ホームを確保するためには2012年ベースで1日当たり平均248ドル(2万6040円)、年間では9万500ドル(950万円)とされています。75歳から仮に20年間お世話になるだけで、単純計算で18万1000ドル(1900万円)に及ぶんですね。富裕層の方々にしてみれば老後もラグジュアリーに過ごしたいでしょうから、これ以上の金額に膨らむこと必至。引退して余生をのんびり快適に暮らすためには、いくらあっても足りないんでしょう。
(出所 : HowStuffWorks)
3位については、富裕層において景気楽観度が強まっていることが現れています。同時に、グリーンCEOによると「インフレと低金利を両にらみしており、現金保有は資産価値を損ねると認識している」ことから、リスク資産保有の意識が高まりました。13年末にかけての世界株ラリーは、こうした富裕層の動きを反映させていたのかもしれません。
2位の金融支援は、言わずもがなお子さんやお孫さんの世代が抱える学生ローンをはじめとした債務を軽減する意思が働いています。全米学生ローンの平均は2012年時点で2万3000ドル(241万5000円)で、ローン残高の内訳では1万ドル(105万円)以上の債務を抱える学生は56.9%を占めており、極めて深刻な状況。借金苦で心の余裕を奪われた子供たちに救いの手を差し伸べるのは、親心というものでしょう(初めから支援しなかったのかと言われればそれまでですが、甘やかし過ぎないようにという配慮が働いたとか推察)。
学生ローン、弱気派には金融市場のかく乱要因および景気下押し要因として意識されております。
(出所 :bestvalueschools)
以上、1位以外はお金持ちの余裕を感じる結果に、個人的には新年から所得差を痛感するばかりとなりました。トホホ。
なお調査は、100万ポンド(1億7350万円)以上の投資資産を保有する米国、英国、フランス、ドイツ、スペイン、スイス、アラブ首長国連邦(UAE)、香港、南米に居住する25-75歳の富裕層顧客547名に対し、2013年末に実施されました。
(カバー写真 : Nationofimmigrators)
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