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米株が大幅安、下落した理由に迫る

by • January 23, 2014 • Latest NewsComments (0)2105

Market Review : Why Dow Was Down Today.

たまには概況を掲載してほしいとのリクエストを頂きましたので、本日は米株市況をお届けします。

ダウ平均 16197.35 -175.99 -1.07%
S&P500  1828.46 -16.40 -0.89%
NASDAQ  4218.88 -24.13 -0.57%

出来高 1億50万枚 前日8930万枚 10日移動平均 9650万枚

ダウ平均は大幅に3日続落。中国1月HSBC製造業PMIが6ヵ月ぶりに分岐点割れを示現した衝撃に耐え切れず、170ドルもの大幅安でスタートした。寄り付き前に発表された米1月マークイット製造業PMIが前月から鈍化したことも、材料視。立ち会い30分後に発表された米12月中古住宅販売件数や米11月住宅価格指数を受け住宅市場の回復ペース鈍化を確認するなかで、16200ドル付近でのもみ合いを保った。NY正午過ぎまで同水準で下げ渋っていたが、50日移動平均線を抜けて一時は232.76ドル安の16140.58ドルまで下落。資産買入の縮小を発表した米連邦公開市場委員会(FOMC)の翌日に当たる2013年12月19日以来の安値を示現してようやく下げ止まり、50日移動平均線が走る16150ドルを超えて終了した。S&P500とナスダックは大幅に3日ぶり反落。S&P500は25日移動平均線を抜け、一時は米1月雇用統計直後となる13日以来の1820p割れが迫った。ナスダックは決算が好調だったネットフリックスなどに支えられ、は3日ぶりの安値をつけるにとどまった。

indu

翌24日は米重要指標を予定せず、値ごろ感から買い戻しが入りやすくなるだろう。
短期的な下値のメドは、16000ドル割れに控える15900ドルとなる。

なお恐怖指数の異名をもつVIX指数は一時14.66と2013年12月18日以来の水準へ上昇し、本日7.2%も急伸して引け。ただし、米連邦政府機関が閉鎖していた2013年10月8日の高値21.34より格段に低い水準を保つ。

マーケットを振り返って思うのは・・。

1)米連邦公開市場委員会(FOMC)を来週に控えた調整売り
2)米経済指標の鈍化に対し、減額引き上げへの懸念
3)一部決算を失望したの売り
4)2月7日に迫る債務上限引き上げ交渉を懸念した売り

などが挙げられます。特に2)は、FOMC前に神経質なマーケットに冷や水を浴びせること必至。米金利が低下したおかげでドル円は一時ほぼ1週間ぶりの103円割れ、ユーロドルでも約1週間ぶりに1.37ドルまでドル安が進んでおり、2)を材料視した様子がうかがえます。

3)に絡めると企業決算が芳しくなければ雇用は伸びず、賃金も増えず、GDPの7割を担う消費が拡大しませんから、マーケットは弱い経済指標に敏感に反応しやすくなりそうです。

そういえば、17日発表の米1月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値で、興味深い結果が現れています。

米1月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は80.4と、市場予想の83.5より弱い結果でした。5ヵ月ぶりの高水準だった前月の82.5も下回っていいます。内訳をみると、現況指数の5ヵ月ぶりの高水準に並んだ前月の98.6から95.2へ鈍化。見通し指数も4ヵ月ぶり高水準だった前月の72.1から70.9へ縮めました。

バークレイズのクーパー・ヒューズ米エコノミストは、今回の結果に対し、緊急失業保険の打ち切りに注目。所得層でみたセンチメントでは「低所得者層の世帯で前月の73.4から71.8、中所得者層で82.9から77.6へ低下していた」と説明しています。逆に高所得者層の世帯では、「92.1から96.6へ上昇」していたといいますから、驚きです。

2013年に雇用が210万人増加したといわれていますが、伸びた雇用の賃金をみるとセンチメントが上向きづらい事実が浮かび上がって来ます。

米労働省の調査を元にマーケットウォッチが伝えたところ、雇用の伸びをけん引したセクターは小売で14年ぶり高水準だったといいます。

問題は、賃金。平均時間当たり賃金は16.62ドル(1730円)と、米12月雇用統計の24.17ドル(2510円)を大きく下回るんです。

トップの自動車関連の時給は22.26ドル(2320円)、2位の食品店は12.85ドル(1340円)也。
wage
(出所 : Marketwatch)

ルー米財務長官は、ダボスで開催中の世界経済フォーラム(WEF)でこう言いました。
「債券購入枠の減額は、経済が回復する限り良いことだ」
本日のマーケット動向は、ルー発言からにじみ出る言外のニュアンスを汲み取ったように見えるのは、筆者だけでしょうか。

(カバー写真 : content time)

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