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ダウ平均300ドル安は、FOMCへのメッセージ?

by • January 24, 2014 • Latest NewsComments (0)2119

Dow Down 300 : Message From The Bottom To Fed?

前日の概況が思いのほかご好評いただいたので、調子に乗って本日もお届けします!

ダウ平均 15879.11 -318.24 -1.96%
S&P500  1790.29 -38.17 -2.09%
NASDAQ  4128.17 -90.70 -2.15%

出来高 1億4140万枚 前日1億50万枚 10日移動平均 9820万枚

ダウ平均は大幅に4日続落。政治汚職事件を背景としたトルコのリラ、財政の脆弱性と成長減速を理由としたアルゼンチンのペソを発火点にエマージング通貨安が火を吹き、売りの嵐がマーケットを直撃した。前日に続き100ドルもの大幅安で寄り付き、取引開始1時間後には16100ドルからジリ安。NY正午前には、心理的節目の16000ドルを上下する動きに入った。取引終了2時間前には耐え切れず、一時240ドル安の15950ドル台へ下げ幅を拡大。75日移動平均線がある15910ドル手前で下げ渋るかにみえたが、異変は引け前に起こった。遂に75日移動平均線を抜け、318.24ドル安の15879.11ドルと米連邦公開市場委員会(FOMC)がテーパリングを決定した2013年12月18日以降の上げ幅をほぼ相殺して安値引け。ダウ平均の300ドル安は、2011年11月以来初めてとなる。

足元の急落が、出来高を伴っている点に注意。23日の1億50万枚を超え、本日は1億4140万枚とトリプル・ウィッチングを迎えた17日に次いで今月2番目の高水準だった。

S&P500とナスダックは大幅続落。S&P500は50日移動平均線を抜け2013年12月17日以来の1800p割れを示現して引けたものの、75日移動平均線のサポートがある1788p手前で止まった。ナスダックは25日移動平均線を下抜け、1月15日に開けた窓を完全に埋めた。週足でダウ平均は反落、S&P500は続落、ナスダックは3週ぶりに反落した。

なお恐怖指数の異名をもつVIX指数は18.14と2013年10月15日以来の水準へ上昇し、本日は31.7%も急伸して引け。米連邦政府機関が閉鎖していた2013年10月8日の高値21.34が近づきつつある。

以上、2日連続の大幅安を受けて次のターゲットは、

ダウ平均→75日移動平均線に加え一目均衡表・雲の上限の下抜けを示顕。次は雲の下限がある15450ドル、次は米政府機関が再開する直前にあたる2013年10月16日の15170ドル付近がメド
S&P500→雲の上限、75日移動平均線手前で下げ止まるも雲の下限1730p、次は2013年10月16日の1700p付近がメド

となります。現時点で、上半期の10%安を予想したバイロン・ウィーン氏の読みが的中しつつありますね

マーケットは、本格的な調整局面入りを迎えたのでしょうか。

CNBCが実施した緊急聞き取り調査によると・・・。
cnbc-survey

ダウ平均が300ドル超で安値引けした直後では、見事に真っ二つに分かれていました。調整入りしたとの回答は37%で、「調整入りしていない」との回答33%をわずかに上回る程度です。「分からない」との回答が29%と非常に高いこともあって、マーケットが判断に苦しんでいる様子が伺えますね。

ひとつ言えることは、①安全資産とされる金相場が以外に本日伸び悩み、②3ヵ月物米財務省証券(TB)の金利がほぼ横ばい——であること。エマージング通貨売り・株安、VIX指数と比較すると反応薄にみえます。

TB3ヵ月物のチャート、直近(右端)をみると足元の急落でも動意に乏しい。
TB

VIX指数の急伸と、対照的です。
vix-1

やっぱり昨日申し上げたように、ポイントは28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)まで約1週間のこのタイミングで急落劇に突入したということ。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の最後の舞台では、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙のヒルゼンラス記者の署名記事もあり100億ドルの減額が見込まれていますよね。

しかし米指標は足元、経済回復を示す内容ではありません。

例えば、2013年の成長を支えた住宅市場に黄信号が灯っているのです。

▽米12月建設許可件数は98.6万件となり、市場予想の101.4万件より弱い結果となった。2008年6月以来の100万件を突破した前月の100.7万件(100.7万件から修正)からは、3.1%減少。3ヵ月ぶりに100万台を割り込んでいる。内訳をみると一戸建て7.0%減と3ヵ月ぶりに減少、複合住宅も14.9%減と4ヵ月ぶりにマイナスに転じた。建設許可件数の前年比は1.6%増と、前月の3.2%増から鈍化。一戸建ては7.6%増、複合は住宅は8.5%減だった。

▽米1月NAHB住宅市場指数は56となり、市場予想の58より弱い結果だった。前月の57を下回り、あらためて2005年11月以来の60乗せが遠のいている。内訳をみると、一戸建て現況指数は前月の約7年ぶりの水準へ上昇した前月の63から62へ鈍化した。一戸建て見通し指数も前月の62から11月の水準である60へ戻している。見込み客指数にいたっては前月の43から40と、過去6ヵ月間で最低となった。

▽米12月中古住宅販売件数は487万件となり、市場予想の493万件より弱い結果となった。2012年7月以来の低水準だった前月の482万件(490万件から縮小)と比較すると1.0%増加。5ヵ月ぶりに増加したものの、500万件割れを保つ。内訳をみると、一戸建てが前月比1.9%増の430万件と5ヵ月ぶりに反発しヘッドラインを持ち上げた。一方で複合住宅は5.0%減の57万件と2ヵ月連続で減少している。中古住宅購入者のうち、新規購入者は前月まで4ヵ月連続で28%だったものの今回は27%へ低下した。

以上の点を踏まえ、Fedが突き進みつつあるテーパリングに市場が物申す!

大寒波・積雪という天候上のマイナス要因が景気を押し下げるリスクが横たわる上、中国の景気減速まで重なっては100億ドルの追加減額すら忌々しいのではないかと。

または、イエレン新FRB議長とフィッシャーFRB副議長のツートップへの宣戦布告とも言えるのでは。

時期尚早な量的緩和(QE)の終了は、意図しない結果をもたらすと注意喚起している様子すら感じられます。
もしくは、米経済の回復ペースがどん詰まりになったときのヘッジとして資産買入の縮小幅を巻き戻す用意があるのか、確認したいのかもしれません。逆にハト派寄りの声明文が公表されれば、ホッとひと息つくこともありうる?

少なくとも、退任するバーナンキFRB議長への当てつけではないでしょう。

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