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住宅建設大手トール・ブラザーズ、好決算に不穏な陰

by • September 3, 2014 • Finance, Latest NewsComments Off3255

Toll Brothers’ Outlook Outshines Doubled Profit.

高級住宅建設大手トールブラザーズが 寄り前に発表した5−7月(第 3四半期)決算では、純利益が前年同期比110%増の 9770万ドルでした。希薄化後の1株当たり利益は53セント と、市場予想の45セントを上回っています。売上高も53%増の10 億6000万ドルと、市場予想の9億8720万ドルを超えていきました。

引き渡し軒数は36%増の1444軒。平均引き渡し価格は12.4%上昇の73万 2000ドル、平均の新規受注価格は1.4%上昇の71万 7000ドルでした。労働市場の改善に加え低金利の追い風もあり、絶好調・・にみえます。

ただし解約率は6.6%と、前年同期の4.6%から上昇。新規契約数も1324軒にとどまり、前年同期比で6%減少しています。

2014年度(2014年10 月末終了)の引き渡し軒数は 5300−5500軒とし、従来予想の5100−5850軒から下方修正しました。一方で、平均引き渡し価格は71万−72 万5000ドル(7455万−7610万円)を見込み、従来の69万−72万ドル(7245万−7560万円)から上方修正しています。

トール・ブラザーズが建てる住宅のお値段は、全米中央価格の約3倍。
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(出所: Superbgiftbaskets)
ダグラス・C・イ ヤーリー最高経営責任者 (CEO)は、結果に対し「価格競争力こそ前年と比較し低下したものの、販売を促進を狙っ たインセンティブの必要性を感じていない」と説明し同業のD.R. ホートンと異なり値下げ圧力懸念を払拭させました。また地域当たりの客足件数自体が5−7 月期は前年同期比13%増だったところ、8−10月期のうち8月は19%増と明かし、強気スタンスを貫いていたのです。

イヤーリーCEOは拘束力のない手付け金額が8月に18%増だったと明かした半面、新規契約件数は5−7月に続き8月も7%減少したと報告しています。不穏な陰がちらつくなか、株価は4.7%の大幅安で引け。同業もつれ安となりパルトグ ループは3.8%安、KBホームも3.3%安、D.R.ホートンは2.5%安で取引を終えました。

足元の住宅指標を振り返ると米8月NAHB住宅市場指数は7ヵ月ぶり高水準だったものの、米7月新築住宅販売件数は2ヵ月連続で減少し米7月建設許可件数も一戸建てが伸び悩みをみせていました。大寒波を経てペントアップ・ディマンドが期待されていた割に、反動は鈍い。大手決算もこれでは量的緩和(QE)第3弾が10月をメドに終了することもあって、先が思いやられます。

(カバー写真 : AP)

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