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IBMは10四半期連続で減収、2015年利益目標も撤回

by • October 20, 2014 • Finance, Latest NewsComments Off3073

IBM Shares Tumble After Tenth Quarterly Sales Decline, Abandons 2015 Earnings Forecast.

IBMが20日寄り前に発表した7−9月(第3四半期)決算では、純利益が1800万ドルとなった。19日時点で別の発表と合わせ決算リリースを寄り前に前倒しすると明らかにしたように、IBMは不採算部門の半導体部門を3年かけてグローバルファウンドリーズに15億ドルで売却する計画を表明。税引き前費用は、47億ドルと発表している。結果、非継続事業の損失は34億ドルとなり前年同期の40億4000万ドルから急激な減少を示した。合併や退職金などの費用を除く調整済み1株当たり利益は3.68ドルと、市場予想の4.31ドルより弱い。売上高は3.9%減の223億9700万ドルと、市場予想の233億7000万ドルを下回った。10四半期連続で減収となる。

売上高の内訳をみると、主要6部門でそろって減収を計上。ハードウェアが15%減の24億ドル、ソフトウェアは1.6%減の57億800万ドルだった。一方で同社が事業シフトを進めるクラウドサービスは50%増、ビジネス・アナリティクスは8%増、モバイルは100%増、セキュリティは20%増だった。

粗利益率は48.6%と、前年同期の49.0%から低下した。費用は前年同期比0.9%増の65億1300万ドル。収入に占める割合は29.1%と、前年同期の27.7%から上昇した。研究・開発費用が前年同期比ほぼ横ばいの14億ドルだった半面、特許収入と受託開発収入が24%減の1億4100万ドルとなっている。

地域別では、米国大陸が前年同期比2%減の101億ドルだったほか、欧州・中東・アフリカも2%減の72億ドルだった。アジア太平洋も9%減の50億ドル。ブラジル、ロシア、インド、中国(BRICs)も7%減と、軒並み減少トレンドを維持した。

2014年通期の1株当たり利益見通しは、「2013年の16.64ドルから2−4%減」とした。今期最大の目標である「通期で1株利益18ドル」を撤回している。さらに2010年に設定した「2015年通期までに1株当たり利益20ドル」の目標も、取り下げた。2015年1月に、新たな目標を掲げる予定だという。フリーキャッシュフローの2014年見通しも、従来の160億ドルから120億—130億ドルへ下方修正した。また一段の人員削減の計画も明らかにし、年末までの人員削減に絡む費用は6億ドルとなる見通しだ。

バージニア・ロメッティ最高経営責任者(CEO)は、決算資料にて「失望的なパフォーマンスに終わった。顧客の購買活動は9月に急低下しただけでなく異例な産業変化のペースも反映している」と説明。ただし「戦略的な成長分野として注力するクラウドデータ、アナリティクス、セキュリティ、ソーシャル、モバイルなどの部門は順調だった」と付け加え、成長余地があると強調した。

——以上、結果を受けてIBMの株価は一時8%近くも急落。半導体部門の売却にも「不採算部門の一部を処理しただけ」(アナリスト)との厳しい声も聞かれています。1株当たり利益見通しも下方修正し、ダウ平均を押し下げました。

(カバー写真:AP)

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