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米雇用統計前哨戦、10月ADP全国雇用者数は好調を維持

by • November 5, 2014 • Finance, Latest NewsComments Off2233

Private Sector Employment Suggests Another Strong Jobs Report In October.

米10月ADP全国雇用者数は前月比23.0万人増となり、市場予想の22.5万人増を上回った。2012年11月以来の高水準だった5月の28.1万人増や前月の22.5万人増(21.3万人増から上方修正)を含め、20万人乗せをキープ。2010年2月以来の増加トレンドも保った。10月米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文で、「大いなる労働資源の活用不足(significant underutilization)」の文言が修正されたように、好調なペースを維持する見通しだ。

内訳をみると、企業規模別では中小企業が22.4万人増と前月の13.5人増から加速。大企業は逆に前月の8.5万人増を大きく下回って0.5万人増となり、少なくとも過去6ヵ月間で最小だった。

業種別にみると、サービス業が18.1万人増と前月の17.6万人増を超え3ヵ月ぶり高水準だった。米10月ISM非製造業景況指数で雇用が59.6と、2005年8月以来の高水準だった結果と整合的である。活況なホリデー商戦が期待されるなか、貿易・輸送・公益が4.7万人増と前月の3.7万人増から伸びを強めた。ただし派遣を含むビジネス・サービスは5.3万人増と、前月の5.9万人増を下回っている。

ホリデー商戦、ターゲットは今年1万8900人の臨時採用で全米ナンバーワン
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(出所:Forbes

財生産業は4.8万人増となり、景気回復サイクルで最高を達成した前月の5.0万人増を下回った。米10月ISM製造業景況指数が3年半ぶりの高水準を遂げただけでなく雇用も上昇したとはいえ、若干鈍化している。製造業で減速が目立ち1.5万人増と、前月の3.3万人増を下回っていた。建設は反対に2.8万人増と、4ヵ月ぶりの高水準を達成している。なおADP全国雇用者数は民間のみであり、政府を含まない。

ADPとともに統計を担当するムーディーズ・アナリティクスのマーク・ザンディ主席エコノミストは、結果を受けて「労働市場は安定したペースで回復をたどっているだけでなく、雇用の伸びは産業・企業規模を問わず全般的に力強い」と評価。現状のトレンドが続くようであれば「失業率と不完全失業率は一段と低下する見通しで、労働市場はまもなく大幅な賃上げを余儀なくされるほどひっ迫してくるだろう」と 楽観的な見方を寄せた。

JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは「ADPが統計手法を改訂した2012年12月以降、ADPと米雇用統計のスプレッドは4万人」と指摘しつつ、「当方の米10月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)予想を23.5万人増で据え置く」とまとめた。

(カバー写真 : Yahoo! Finance)

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