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テスラ7−9月期、予想外に黒字計上—時間外で株価上昇

by • November 5, 2014 • Finance, Latest NewsComments Off3440

Tesla Shares Rise, Accelerated By Strong Demand And Outlook.

米中間選挙後にダウ平均とS&P500が終値ベースで最高値を更新した5日引け後、テスラが発表した7−9月(第3四半期)決算では、純損失が前年同期比94.1%増の7470万ドルでした。調整済み純利益は80.2%減の317万ドル。同1株当たり利益は2セントと、市場予想が1セントの赤字だったところサプライズの黒字を達成しています。調整済み売上高は54.7%増の9億3230万ドルで、市場予想の8億9200万ドルを超えてきました。粗利益率は23.0%と、過去最高だった4−6月期の26.8%を下回っています。

以下はキーファクターです。

▽7−9月期実績
・販売台数は7785台と過去最高、7月にカリフォルニア州フレモントの工場を「モデルX」生産向けに閉鎖したため同社予想の7800台に届かず
・1日当たり出荷台数は907台、過去最高
・販売台数の大半は北米で、前年同期比65%増加
・販促一般管理費用は18%増の1億5500万ドル、海外展開の一環
・研究開発費は前期比28%増の1億1900万ドル、全輪駆動車およびオートパイロット(自動操縦)搭載の「モデルS」、「モデルX」向け支出増加を反映

決算資料では、日本での納車開始を記念し富士山をバックにパシャリ。
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(出所:Tesla)

▽見通し
・10−12月期の調整済み利益は30−35セント、アナリスト予想平均の75セントを大幅に下回る
・10−12月期の研究開発費および販促一般管理費は前期比10%増へ、主にオートパイロット向け支出縮小で
・粗利益率は、28%

・2014年の販売台数は3万3000台、従来予想の3万5000台から下方修正
・2015年末までに週当たり生産台数2000台以上を目指す方向性を確認、需要拡大に対応
・スポーツ多目的車(SUV)の「モデル X」、出荷は2015年春から2015年7−9月期序盤へ先送り
・2015年の「モデルS」販売台数目標、5万台で維持
・2015年通期の目標詳細は、10−12月期決算発表で表明
・ギガファクトリーの操業開始は2016年、2017年から前倒し

オートパイロット、前方車との距離測定や車線変更などで大活躍に。
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(出所:Tesla)

以上の結果を踏まえ、株価は一時6%超えまで上昇しました。1)予想外の黒字、2)10−12月期の研究開発・販促一般管理費用の増加幅縮小、3)「モデルS」の生産台数、4)ギガファクトリーの操業開始の前倒し——などが好感されたようです。いくらヴァイラス・キャピタル・マネジメントのジョン・トンプソン最高経営責任者(CEO)が「気味が悪いほど割高」と吐き捨てても、2014年販売台数が下方修正されても、投資家の厚い信頼は変わりません。「モデルX」の販売延期も、全輪駆動型・オートパイロット搭載「モデルS」の需要を反映していると説明されれば、なおさらです。

カンファレンス・コールにて、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が2015年の「モデルS」販売台数目標5万台に対し「達成可能」と断言したことも、揺るぎない自信の表れでしょう。2013年の国家道路交通安全局(NHTSA)に続き欧州当局が安全性テストで最高得点の5つ星を与えたのも、明るい未来を予感させます。

(カバー写真 : Engadget)

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