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サイバー・マンデー売上高、調査元で明暗分かれる

by • December 2, 2014 • Finance, Latest NewsComments Off2059

Cyber Monday Sales Rise, For Better Or Worse.

ホリデー商戦動向のカギを握るサイバー・マンデー、売上高は再びまちまちの結果を示しています。

IBM・デジタル・アナリティクス・ベンチマークの発表では、売上高は過去最高を記録していました。とはいえ、前年同期比8.5%増と市場予想の13−15%増に届かず。2013年の20.6%増からも、大幅に減速しています。平均注文額は124.21ドル(1万4780円)と前年比で3.5%の下落を示しており、全米小売業協会(NRF)と同じく前年比割れという残念な結果に終わりました。

対してアドビによると、オンライン売上高は前年同期比16%増の26億5000万ドル(約3150億円)でした。小売業トップ25での売上高の伸び率は、25%増の約18億ドルに達したといいます。

それぞれ小売業のウェブサイトをベースにしているにも関わらず、大差がついていました。違いはたったひとつ。IBMは小売関連ウェブサイト数のうち800件を対象にしている一方、アドビは4500件とサンプル数が断然多いんですね。

<IBMの詳細>
・携帯 VS デスクトップ
→携帯端末が占める割合は閲覧ベースで41.2%と、前年同期の30.1%を大幅に上回った。売上ベースでは22%。デスクトップは閲覧ベースで58.6%、売上ベースは78%を占める。平均注文額はデスクトップが128.24ドル(1万5260円)と、携帯端末の110.72ドル(約1万3180円)を上回った。

買い物する段階になると、画面が大きく誤操作リスクの低いデスクトップへ移動。
ibm
(出所:IBM Digital Analytics Benchmark)

・スマートフォン VS タブレット
→閲覧ベースではスマートフォンは28.5%に対し、タブレットは12.5%。反対に売上ベースではスマートフォンが9.1%に対し、タブレットが12.9%と優勢。タブレットの平均注文額は121.49ドル(約1万4460円)に対し、スマートフォンは99.61ドル(約1万1850円)となり、デスクトップ VS 携帯端末と同じく誤操作と商品選択ミスに配慮したためか画面サイズとキーボードの有無が結果に影響を及ぼしたとみられる。

・iOS VS アンドロイド
→オンライン売上高に占める割合は、アンドロイドの4.4%に対しiOSは17.4%と4倍に相当。iOSの平均注文額も114.79ドル(1万3660円)と、アンドロイドの96.84ドル(約1万1520円)をつき放した。閲覧ベースでもiOSは28.7%と、アンドロイドの12.2%を大幅に上回っている。

<アドビの詳細>
・感謝祭からサイバーマンデーまでのオンライン売上高は96億ドル(約1兆1420億円)と、前年比で20%増加した。11月1日から12月1日までのホリデー商戦は、14%増の379億ドル(約4兆5100億円)。11月1−29日までの数字から、約60億ドル増加した。
・サイバーマンデー1日当たり売上高3億ドル以上のトップ25社におけるオンライン売上高は、25%増の約18億ドル。一方で、同1日当たり売上高2億ドル以下は5%増にとどまった。
・サイバーマンデ—の値引率は朝が最大で平均23%、夜は21%へ低下。買い物時間は仕事明けが全体の54%を占め、午後6時以降は41%だった。

——サイバー・マンデーをはじめホリデー商戦にて、調査方法とサンプル数の違いを把握することは非常に重要です。問題はそれだけではなく、今年の結果がなぜNRFやIBMなどと大きく相反しているか。前年比割れの支出額がはじき出された背景に、ガソリン価格が4年ぶりの水準へ下落しようが米株高という資産効果に恵まれようが、期待されたほど財布の紐を緩めなかった消費者の実体が浮かび上がってきます。

(カバー写真:scyther5/Shutterstock)

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