Industrial Production Recovers Pre-Recession Level In November.
米11月鉱工業生産指数は前月比1.3%上昇の106.7と、市場予想の0.7%を上回った。前月の0.1%(0.1%の低下から上方修正)を含め、3ヵ月連続でプラスに。足元6ヵ月間で5回目の上昇を示した結果、2007年12月を超えリセッション入りしてからの落ち込みを取り戻している。設備稼働率も市場予想の79.4%を超え80.1%。前月の79.3%(78.9%から上方修正)を上回り、2008年3月以来の高水準を遂げた。
鉱工業生産指数、リセッション前の水準を回復するのに約7年かかりました。
内訳をみると、製造業が1.1%の上昇と3ヵ月連続で上向いたなかで最も強い伸びを示した。特に米11月新車販売台数が好調だったように、自動車が5.1%と4ヵ月ぶりに上昇に反転している。機械も1.0%と、前月の2.9%と合わせ2ヵ月連続でプラス。コンピューター・電子機器も0.5%と、4ヵ月連続で上昇した。公益は5.1%の上昇となり、3ヵ月ぶりにマイナス反転した前月の0.7%減から大幅反発。サンクスギビング・デーにかけて北極気団の直撃を受け気温が低下したため供養が大きく拡大し、天然ガスが6.9%と前月の5.7%の低下を打ち消した。電力も4.8%と、前月の±0%から上昇に転じている。鋼業は原油安などを受けて0.1%の低下と、2ヵ月連続でマイナスだった。
大和キャピタル・マーケッツのマイケル・モラン米主席エコノミストは、結果を受け「主要な20項目のうち16項目が上昇したほか3つが横ばい、その他が0.1%の低下を示すのみで全般的に好調だった」と評価した。
——以上、米鉱工業生産は非常に強い数字を示しただけでなく、リセッション前の水準まで改善しました。製造業から公益まで幅広く上向いた点も、心強い。ただし、米12月NY連銀製造業景況指数がマイナス3.58となり2013年1月以来、約2年ぶりに分岐点のゼロを割り込んでおり強弱混合。NY連銀製造業景況指数は変動が大きいだけに見極めが必要ながら、原油安に伴う設備投資減速懸念もありまちまちなシグナルが何を示唆するのか気掛かりです。
(カバー写真:AP)
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