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米11月CPI、ドル高も重なり2008年12月以来の低水準

by • December 17, 2014 • Finance, Latest NewsComments Off2139

Stronger Dollar And Cheaper Gas Push CPI To Its Lowest In 6 Years.

米11月消費者物価指数(CPI)は前月比0.3%の低下となり、市場予想の0.1%より下げ幅を広げた。前月の横ばいからも低下し、リーマン・ショックの衝撃が冷めやらぬ2008年12月以来の低水準。エネルギーが3.8%と5ヵ月連続でマイナスへ沈み、引き続き全体を押し下げた。特にガソリンが6.6%と弱い。一方で、食品・飲料は0.3%の上昇と5ヵ月連続で上向いた。

CPIコアは前月比0.1%の上昇となり、市場予想と一致した。前月の0.2%を下回っている。サンクスギビング・デーやブラック・フライデーを背景に値引き合戦が激化したためか、服飾が1.1%の低下と前月に続きマイナスに陥っている。約2年ぶりの低水準を示した。娯楽も4ヵ月ぶりに低下し、0.2%。教育は2ヵ月連続で低下し0.1%となり、特にパソコンが1.5%と押し下げている。その他、中古自動車やトラックも7ヵ月連続で低下した。

シェアの大きい帰属家賃は4ヵ月連続で0.2%上昇したほか、住宅も3ヵ月連続で0.2%の上昇となった。家賃も0.4%の上昇を迎え、2ヵ月連続で上向いている。サービスは0.2%と、3ヵ月連続の伸びを示した。医療費は0.4%と、3ヵ月連続で上昇。航空運賃は2ヵ月連続で上昇し1.4%となり、マレ—シア航空機撃墜事件の影響で3ヵ月連続で低下した分を取り戻しつつある。

CPIの前年比では、10月まで3ヵ月連続で1.7%の上昇を経て1.3%へ減速。市場予想にも1.4%に届かず、9ヵ月ぶりの水準へ伸びを縮小させた。CPIコアの前年比は1.7%にとどまり、市場予想および前月の1.8%を下回った。7月の2.0%で頭打ちを示す。

JPモルガンのマイケル・フェローリ米主席エコノミストは、結果を受け「コアサービスが0.23%と比較的、堅調だった一方でコア消費財は0.4%低下し少なくとも過去10年間で最低だった」と指摘。背景には「明らかにドル高が影響している」と説き、原油先物に加えインフレを押し下げ始めた可能性に言及した。

——以上、原油安とガソリン価格の下落もさることながらドル高の影響もダブルパンチとなってきた様子がうかがえます。原油安で米経済に悪影響を及ぼすシナリオが考えられる上、インフレ下押し圧力を加えるリスクをはらみ、FOMCの声明文で原油安をめぐる文言が加わるか注目されます。

(カバー写真:Andy Jacobsohn/TNS)

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