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2014年、映画チケット販売数は約20年ぶりの低水準

by • January 3, 2015 • Gossip, Latest News, NY TipsComments Off2337

‘Guardian Of The Galaxy’ Could Not Help Box Office Ticket Sales From Hitting A 20-Year Low.

映画といえば、昔ならデートの定番でした。翻って現在、あらゆる娯楽に溢れ恋人作りすら面倒な世の中に移り変わり、ハリウッドに吹きつける逆風は年々厳しくなっています。

ハリウッド・レポーターによると、2014年の映画チケット販売数は試算段階で12億6000万枚でした。アメリカの人口が約3億1610万人ですから人口の約4倍であり、結構な数だと感じますよね?ところが、1994年の12億4000万枚以来で最低だったんです。今年は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」が3億3297万ドル(約400億円)の興行収入を叩き上げ、次いで「ハンガーゲーム/モッキンジェイ パート1」が3億1617万ドル(約380億円)、3位の「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」も2億5977万ドル(約312億円)に達しつつ、力及ばずでした。

来館数は13億4000万人と、前年比で6%減少。2002年に「スパイダーマン」(興行収入4億300万ドル)、「ロード・オブ・ザ・リング/2つの塔」(3億3980万ドル)、「スターウォーズ エピソードII/クローンの攻撃」(3億220万ドル)、「ハリー・ポッターと秘密の部屋」(2億6200万ドル)、「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」(2億4140万ドル)と豊作だった頃は15億7000人を数えたというのに、隔世の感があります。

北米の映画興行収入はというと、5%減の103億6000万ドル(約1兆2430億円)でした。9年ぶりの落ち込みを示しており、映画離れを実感させております。

映画がつまらなくなったからでしょうか?それともチケット平均価格が8.15ドル(約978円)と、2013年の8.13ドル(約976円)から上昇しているから?個人的にはそうした要因に加え、視聴者の関心がドラマへシフトしていることが敗因と推察します。

2014年も、デビッド・フィンチャー監督に続きアカデミー映画監督のアノ人がドラマ界に参入してアッと驚かせてくれました。20世紀初頭のニューヨークにある病院を舞台とした「ザ・ニック(The Knick)」、メガホンを取ったのは映画「トラフィック」、「オーシャンズ・イレブン」、「セックスと嘘とビデオテープ」で知られるスティーブン・ソダーバーグ監督でございます。カメラワーク、描写、照明、俳優の演技を引き出す手腕・・・すべてにおいて映画を観賞している手応えが感じられ、IMDBで10点満点中8.6点を勝ち取ったのも頷けます。主演は、かつてジェームズ・ボンド候補としてもてはやされたクライブ・オーウェン。脇を固めるのはU2のフロントマン、ボノの次女イブ・ヒューソンとあって話題性も十分でした。

イブ、顔の輪郭は父親ゆずり。
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(出所:Danny Moloshok/Reuters)

デビッド・フィンチャー監督が去ったとはいえ、政治ドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」の第2シリーズはネットフリックスで全話ストリーミング可能とあってファンが飛びつかないはずもなく。また第2次世界大戦中の極秘プロジェクト、マンハッタン計画を扱った「マンハッタン」は有名俳優をそろえていなかったものの、プロパガンダ色を排した秀作で日本人の私からみても拍手したくなる作品でした。

ドラマに珠玉の名作がそろい監督や出演陣も映画と遜色なく、家で観るならまったりワインを傾けられるとあって、映画館には足が遠のいてしまうはずです。しかも映画を楽しむ方法はシアターだけでなく「ザ・インタビュー」の成功で分かるように、インターネットという手段もありますからね。

(カバー写真:Sara Robertson/Flickr)

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