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原油安、ガソリン価格下落でも消費余力は限定的?

by • January 11, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2296

Retailers Are Not Alright : Cheaper Gasoline Prices Did Not Help To Boost Sales.

米株相場は9日、米12月雇用統計を受けて下落し年初来リターンをマイナスへ戻しました。

時間当たり賃金がまさかの低下を示した上に、原油安でガソリン価格が約5年ぶり低水準にも関わらず小売セクターが芳しくないホリデー商戦の結果を発表したことも、売りを招いたと言えそうです。事前にアノ大手百貨店のほか、消費者セクターで大規模リストラが発表されていれば、なおさらでしょう。

▽ギャップが下落、2.5%安で引け。
米12月既存店売上高は前年同月比1.0%増となり、市場予想の0.7%増を上回った。ただしブランド別をみると、安価な「オールド・ネイビー」だけが8%増と前年同月の2%増を超える増加を遂げ、底上げしたに過ぎない。「バナナ・リパブリック」は前年同月に続き横ばいにとどまったほか、「ギャップ」にいたっては5%減と前年同月の1%増からマイナスに落ち込んでいる。ガソリン価格の下落の割に、好転していなかった。11−12月期の既存店売上高は、3.0%の増加に。1月3日までの5週間での売上高は2%増の21億ドルだった。

オールド・ネイビー、強さの秘密は低価格。

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(出所:Old Navy)

▽ベッド・バス・アンド・ビヨンドが下落、6.8%安で引け。
寝具・バス関連小売大手が8日引け後に発表した9−11月(第3四半期)決算では、純利益が前年同期比5%減の2億2540万ドルだった。オンライン受注での出荷費用や値引きが利益を圧迫させている。粗利益率は38.4%と、前年同期の39.2%から低下していた。希薄後の1株当たり利益は1.23ドルと、市場予想の1.19ドルを上回る。ただ一時項目とクレジットカード手数料訴訟に絡み、4セント押し上げられたという。売上高は2.7%増の2億9400万ドルとなり、市場予想の2億9700万ドルに届かず。既存店売上高は1.7%増と、同社予想のレンジ2−3%増を下回った。

2014年度(2015年2月末終了)の売上高は2.4−3.6%増とし、従来予想の3.4—3.9%増から引き下げた。既存店売上高も2.4−2.7%増とし、こちらも従来予想の2.6—3.1%増から下方修正。ただし、1株当たり利益は従来の5−5.08ドルから5.05−5.09ドルへ引き上げた。

▽ラルフ・ローレンが下落、1.4%安で引け。ジャニー・モントゴメリーは、服飾ブランド大手の投資判断を従来の「買い」から「中立」ヘ引き下げた。世界経済とドル高の逆風に直面し、業績が圧迫されるとの見解を示す。

そのほか、エネルギー関連からも原油安を背景に悪材料が飛び出していました。

▽ベーカー・ヒューズが下落、1.0%安で引け。油田サービス大手は、2014年12月時点の石油用リグ(採掘装置)の稼働数が1313基だったとし、11月から11基減少したほか前年同月比では22基減少したことを明らかにした。なお同社は、ハリバートンによる買収で合意済みだ。石油・ガス生産のハルコン・リソーシズも、原油安を背景に2015年の採掘向け予算を削減するなか前日比横ばいで引けた。

そういえば、バークレイズのレポートも話題になりました。原油先物が50—60ドルのレンジで推移する場合、2015年の北米における探査・生産支出は前年比30%あるいはそれ以上の減少を示すと試算していたんです。

せめてもの救いは、米10−12月期国内総生産(GDP)見通しが上方修正されたことでしょうか。9日発表の米11月卸売在庫の結果を受けて在庫投資の寄与度拡大を見込み、JPモルガンは米10−12月GDP予想を従来の2.5%増から3.3%増へ、ゴールドマン・サックスも従来の2.7%増から3.1%増へ引き上げています。仮に米株相場が下落局面にあった場合、1月27−28日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)、その2日後に公表の米10−12月期GDP速報値でいったん切り返す期待が高まります。

(出所:jaimelondonboy/Flickr)

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