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カナダ銀行、ECBの前に予想外の利下げに踏み切る

by • January 21, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2736

Canada Sent Market Shockwaves By Cutting Interest Rate Ahead Of ECB Meeting.

カナダ銀行(中央銀行、BOC)は21日、金融政策決定会合で政策金利に当たる翌日物金利を25bp引き下げた。予想外の利下げにより、0.75%に設定している。利下げは、2009年4月以来で初めて。2010年6月に主要7カ国(G7)で最初の利上げに踏み切った後、同年10月から開始した据え置き政策にピリオドを打った。

声明文では、急激な原油安がもたらすネガティブな成長とインフレへの影響に配慮したと説明。エネルギー企業の設備投資減少に加え、原油輸出額の下押しを通じた貿易収支の縮小が成長をはじめ所得や富に悪影響を及ぼすとの見解も示し、今回の決定が一連のリスクに対する「保険」と位置づけた。

2015年成長率見通しも、従来から0.3%ポイント引き下げ2.1%とした。カナダ経済がフル稼働する時期も、2014年10月時点の「2015年下半期」から「2015年末」へ後ろ倒しさせている。

インフレに対しては、加ドル安がディスインフレ圧力を与えるほか一時要因もあって消費者物価指数(CPI)は8ヵ月連続で目標値の”2%”台に乗せるものの、「まもなく原油安を反映し始める」と予想した。CPIの予想を大幅に引き下げた半面、エネルギー関連以外は底堅いと考えておりコアCPIは小幅にとどめている。

今後は原油安を恩恵に拡大する米経済に支えられるほか、加ドル安が輸出を通じカナダ経済に寄与するとの見通しも明らかにした。結果を受け、BNPパリバは「見通しへの下方リスクは強まっていないと判断できる」とコメント。従来通り、「第1弾の利上げ予想を2016年上半期」で維持した。

——インド準備銀行(RBI)が16日に約2年ぶりの利下げに踏み切ってマーケットを驚かせたのも束の間、今度はG7の一員であるカナダが利下げを断行しました。輸出開発公社の出身らしく加ドル安のメリットを挙げながら、”保険”で利下げしてくるとは。カーニー前総裁の機動的な政策運営を継承したと言えるでしょう。エマージング国と先進国問わず低金利ムードが強まっており、債券・株式ともブルな投資家には朗報が続いていますね。

(カバー写真:Central banking)

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