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Fedサーベイ、利上げ第1弾予想は9月へ後ろ倒し

by • January 27, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2280

Fed Survey : Wall Street Pushes Its Estimate For First Rate Hike To September.

米連邦公開市場委員会(FOMC)直前恒例、CNBCがまとめたウォールストリート関係者を対象とした世論調査「Fedサーベイ」をお伝えします。33人を対象に前週22—23日に行った1月分の直前レポート、今回の内容を見ていきましょう。以下、⇒は筆者の補足説明になります。

1)「忍耐強くなれる」との文言を削除する時期
・1月→0%
・3月→33%
・4月→27%
・6月→21%
・7月→0%
・9月→3%
・10月あるいはそれ以上→3%

2)第1弾の利上げ時期、予想平均
・今回→平均で2015年9月
(12月時点:2015年7月、10月時点:2015年7月、9月時点:2015年6月)
⇒第1弾の利上げ予想を後ろ倒し、低インフレと景気減懸念が背景か。

3)FF金利予想

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・2015年6月末→0.25%(12月時点:0.31%、10月時点:0.33%)
・2015年12月末→0.73%(12月時点:0.83%、10月時点:0.89%)
・2016年6月末→1.26%(12月時点:1.38%、10月時点:1.48%)
・2016年12月→1.75%(12月時点:1.93%、10月時点:2.04%)
⇒全般的に下方修正されており、利上げペースがあくまで緩やかにとどまるとの見方が強まっています。

4)FF金利引き上げを開始後、どの水準で終了すると予想するか
・終了すると予想する水準→3.11%(12月時点:3.17%、10月時点:3.30%)

5)FF金利引き上げサイクルを終了する時期
・今回→2018年1−3月期(12月点:2018年1−3月期、10月時点:2017年10−12月期)

6)いつバランスシートを削減するか
・今回→平均は2016年4月(12月時点:2016年2月、10月時点:2016年1月)

7)QE3終了後、QE4を1年後あるいは2年後に再開させる確率
・1年後→10%(12月時点:9%)
・2年後→17%(12月時点:14%)
⇒2014年10月のQE終了を経て1−2年後に再開となれば、見通しの上では利上げサイクル過程にあります。

8)S&P500予想

feds-1

・2015年6月末→2122p(12月時点:2093p、10月時点:2066p)
・2015年12月末→2187p(12月時点:2194p、10月時点:2111p)
・2016年1月末→2248p(12月時点:2250p)
・2016年12月末→2296p(12月時点:2311p)
⇒足元のボラティリティ上昇に反応したのか、2015年6月末以来はそろって下方修正。

9)米10年債利回り予想
・2015年6月末→2.14%(12月時点:2.63%、10月時点:2.90%)
・2015年12月末→2.54%(12月時点:2.96%、10月時点:3.19%)
・2016年1月末→2.80%(12月時点:3.30%)
・2016年12月末→3.04%(12月時点:3.52%)
⇒第1弾の利上げを控えながら、原油安を下地としたディスインフレ懸念や欧州中央銀行(ECB)の大規模QEを一因に大幅に下方修正。

10)米債利回り低下の背景
・低インフレ→72%
・安全資産への逃避→28%
・低成長見通し→19%
・緩和寄りな政策→19%
・ECBのQE効果→13%
・その他→9%
・財政赤字の改善→3%

11)GDP予想
・2015年→2.99%(12月時点:3.02%、10月時点:2.90%)
・2016年→2.80%(12月時点:2.88%)
米12月耐久財受注米12月小売売上高の弱含みで成長懸念が再燃し、ドル高による業績不振もあって向こう2年以内にQE4を予想する回答者が小幅増加したように2015−16年そろって下方修正されています。

12)CPI予想
・2015年→1.17%(12月時点:1.74%)
・2016年→2.07%(12月時点:2.17%)
⇒原油安を背景に、2015年は大幅に下方修正。

13)原油価格は1−3月期のGDPとコアCPIにどのような影響をもたらすか
・GDP→0.25%のプラス寄与(12月時点:0.35%のプラス寄与)
・コアCPI→0.28%のマイナス寄与(12月時点:0.27%のマイナス寄与)

14)原油安のメド
・40ドル

15)原油安の背景
・供給過剰→56%
・供給過剰と需要低迷→28%
・需要低迷→13%
・その他/分からない→3%

16)ECBのQEの規模への感想
・予想より積極的→63%
・予想通り→28%
・予想ほど積極的ではない→9%

17)ECBのQE効果がもたらす影響
・米株→上昇:69%、変わらず:31%
・欧州株→上昇:94%、変わらず:6%
・米金利→上昇:34%、変わらず:44%、低下:22%
・欧州金利→→上昇:34%、変わらず:16%、低下:50%
・欧州の成長率→上昇:66%、低下:34%
⇒概ね、ポジティブな効果を見込んでいます。

18)ECBのQEがFedの金融政策に影響を与えるか
・与えない→63%
・与える→25%
・与える可能性は低い→13%

19)米株はFedの利上げを織り込んでいるか
・織り込み済み→53%(12月時点:56%)
・織り込んでいない→38%(12月時点:36%)

20)米経済への脅威
世界景気の減速
・今回→40%(前回、項目対象外)
地政学的リスク
・今回→16%(12月時点:14%)
税制・規制強化
・今回→13%(12月時点:14%)
雇用の鈍化
・今回→9%(12月時点:14%)
賃金の伸び鈍化
・今回→6%(前回、項目対象外)
欧州経済のリセッション/金融危機
・今回→0%(12月時点:40%)
デフレ
・今回→0%(12月時点:6%)

21)米国がリセッション入りする危険性
・今回→13.0%(12月時点:13.6%、10月時点:15.1%)
⇒少なくとも2011年以降で最低

22)最も関心がある分野
・経済→53%(12月時点:46%)
・債券→16%(12月時点:14%)
・株式→9%(12月時点:17%)
・その他→22%(12月時点:17%)
・通貨→0%(12月時点:6%)

いかがでしたか?利上げ開始時期の先送りに表れるように、景気やインフレへの楽観度が後退していました。2年以内に量的緩和(QE4)を予想する声も2014年12月時点より多く聞かれ、S&P500も小幅ながら下方修正されており、イケイケどんどんなムードは払拭されつつあるようです。

(文中写真:CNBC、カバー写真:Tripp/Flickr)

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