Michael Kors Has Lost Its Magic While Victoria’s Secret Keeps Its Sparkle.
ラルフ・ローレンの残念な決算をお伝えしましたが、こちらの服飾ブランドも見通しで大コケし消費者だけでなく投資家からも飽きられつつあります。リアリティ・ショー「プロジェクト・ランウェイ」でお馴染みの、マイケル・コースです。
ホリデー商戦を挟む10−12月（第3四半期）決算では、増収・増益を達成した。純利益は前年同期比32.2％増の3億400万ドル。希薄後の1株当たり利益は1.48ドルと、市場予想の1.33ドルを上回る。売上高は29.9％増の13億1000万ドルとなり、市場予想の13億ドルをわずかながら超えた。為替変動を除く場合は32.6％増となり、ドル高により売上の伸びを抑えられたという。
主力である北米の売上高は、為替変動を含む場合で22.6％増の11億ドル。 既存店売上高は6.0％増と、市場予想の9％増に届かず。前年同期の20.6％増から急速に鈍化した。 一方で為替変動を含む欧州の売上高は72.1％増の2億4140万ドル、既存店売上高は21.2％の増加となる。日本は72.1％増の1600万ドルとなり、既存店売上高も35.4％増だった。粗利益率はホリデー商戦での値引きを背景に、60.9％と前年同期の61.2％から低下した。
10−12月期はホリデー商戦の恩恵を受け底堅さをみせたものの、1−3月期は投資家の失望を買ってしまった。1株当たり利益は0.89−0.92ドルを見込み、市場予想の0.94ドルに届かず。売上高予想も10億500万—10億800万ドルとし、市場予想の11億5000万ドル以下に終わっている。既存店売上高は5％増を予想した。2014年通期（2015年3月末終了）の1株当たり利益も4.27—4.30ドルとし、市場予想の4.81ドルに遠く及ばない。売上高は44億ドルにとどめ、市場予想の53億ドルを大きく下回った。
リーズナブル路線が災い、アメリカではコーチの二の舞に？
（出所：MiniMax!/Flickr）
——ご覧のように、見通しがボロボロです。減速著しい見通しを受け、ビジネス・インサイダーは「マイケル・コースがもはやクールじゃない3つの理由（3 reasons Michael Kors isn’t cool anymore）」との記事を配信する有様。ご想像の通り、1）みんな持ってる、2）在庫が積み上がっている、3）戦略が裏目に出た——と取りつく島もありません。
マイケル・コースが惨憺たる内容だった半面、絶大な人気を維持するこのブランドの快進撃は続きます。ビクトリア・シークレットを抱えるLブランズ、1月既存店売上高は前年同期比7％増となり、市場予想の1.9％増を大幅に上回りました。11−1月期の売上高は7％増の40億7000万ドルで、市場予想の40億500万ドルを超えています。ホリデー商戦の既存店売上高も6％増と景気減速への懸念を吹き飛ばす勢い。おかげで、11−1月期の1株当たり利益見通しを1.78−1.80ドルとし従来の1.61—1.71ドルから引き上げています。
女性のハートを狙い撃ちした広告戦略も奏功し、無敵の強さを誇ります。
（出所：Marco Valdez/Flickr）
好業績を背景に配当を1株当たり47％引き上げ2ドルに設定した上、特別配当として1株当たり2ドル支払うことも決定しました。さすが、2015年のスーパーボウルのハーフタイム・ショーはギャラで折り合わず出演を見送ったとの噂もある、あのテイラー・スウィフトをロンドンでのファッション・ショーにゲスト出演させたはずですね。
何はともあれ大したライバルも存在せず、ビクトリアズ・シークレットは目下、安泰といったところ。そもそも下着なので、同じ商品を着用していても気づかれず飽きられませんしね。また、外向けの服飾より下着など直接身につける品々で贅沢を感じたい女性の心境の変化を表したとも言えるでしょう。女性の心理にも、日本化の波が押し寄せたかのようです。
（カバー写真：Popsugar）
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