LVMH Earnings Miss Estimates, China Drags Down The Sales.
世界屈指の高級ブランドを束ねるLVMH、3日に2014年決算を発表しました。決算後、株価は史上最高値を更新。どれほど華麗なる好決算かと思ったら、無難に終わっていたんですね。
10−12月(第4四半期)決算で、売上高は前年同期比10%増の92億4100万ユーロだった。1-9月期の4%増から加速。10−12月期の既存事業売上高は5%増となり、1−9月期に並ぶ水準。ホリデー商戦で、売上鈍化を回避させるにとどめた。
2014年通期の純利益は、64%増の56億5000万ユーロと過去最高を記録した。エルメスの持ち株、約23%を売却した利益28億1000万ユーロにより、押し上げられている。継続事業ベースの利益は4.8%減の57億1500万ユーロとなり、リーマン・ショックの爪痕が深く残る2009年以来で初めての減益を計上した。市場予想の58億3000万ユーロにも届いていない。ただし売上高は6%増の306億ユーロとなり、こちらは市場予想の300億ユーロを上回った。既存事業ベース(為替変動を除く)の売上高は5%増と、前年の8%増以下にとどまった。粗利益率は19%と、こちらも前年の21%以下に終わった。
今年の春節祭、売上増の起爆剤となるか。2度の緩和策で上気する?
(出所:nitrolicious)
配当は1株当たり前年比3%引き上げ3.20ユーロ。2013年の6.9%を下回った。
アルノー最高経営責任者(CEO)は、欧州中央銀行(ECB)がデフレ対策に大規模な量的緩和(QE)を決断を余儀なくされ、ギリシャ新政権をめぐり新たな不安が募るものの「比較的、自信をもつ」とのスタンスを維持している。
以下は、部門、国・地域別動向。
【部門別の売上高】
▽10−12月期
ワイン・酒類 1%減 < 前期は7%減
ファッション・革製品 4%増 > 前期は2%増
香水・化粧品 7%増 < 前期は11%増
時計・宝飾 3%増 < 前期は8%増
精選品 8%増 > 前期は7%増
▽2014年通期
ワイン・酒類 3%減 < 前年は6%増
ファッション・革製品 3%増 < 前年は5%増
香水・化粧品 7%増 = 前年は7%増
時計・宝飾 4%増 = 前年は4%増
精選品 8%増 < 前期は17%増
【国・地域別の、既存事業ベースの売上高】
▽2014年通期
日本 8%増 < 前年同期は12%増
米国 8% < 前年同期は12%増
アジア 1%減 < 前年同期は12%増
欧州 3%増 < 前年同期は12%増
▽10−12月期
日本 7%増 < 前年同期は12%増
米国 13%増 > 前年同期は9%増
アジア 6%減 <前年同期は11%増
欧州 5%増 > 前年同期は3%増
【国・地域別売上高のシェア】
▽2014年
アジア(日本除く) 29% < 前年は30%
米国 24% > 前年は23%
欧州(仏除く) 19% = 前年は19%
フランス 10% < 前年は11%
日本 7% = 前年は7%
その他 11% = 前年は10%
——以上、決算をみると79日間に及ぶ香港の民主化デモの余波をもろに被った様子がうかがえます。コニャックやブランデーといった高級酒の売れ行きが落ちたとみえ、アジアの既存事業ベースの売上は10−12月期に2桁減でしたからね。服飾・革製品はホリデー商戦を支えに10−12月期こそ健闘しましたが、通期ではさえず。時計・宝飾の伸びもイマイチで、中国の贅沢禁止令のほか世界景気の鈍化がにじみでています。
(カバー写真:LVMH)
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