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セールスフォースは2桁増収、Lブランズはイースター明けに売上失速

by • May 20, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off3186

Earnings Roundup : Salesforce, L Brands, Burberry.

20日に発表された決算、残りをおさらいしていきます。買収の噂が飛び交うセールスフォースは2桁の増収を達成し、魅力的な投資先としてキラリと光る決算を計上。Lブランズはイースター明けの失速を背景に、売上が予想以下にとどまりました。バーバリーは各通貨の為替変動でワンツー・パンチを浴びたため、為替差損が痛手に。営業費用の拡大などもあって、スタイリッシュな仕上がりとはいきませんでした。

▽セールスフォース

クラウド型顧客管理大手が発表した2−4月(第1四半期)決算では、純利益が409万ドルだった。前年同期の9690万ドルの赤字から反転した。調整済み1株当たり利益は0.16ドルとなり、市場予想の0.14ドルより強い。営業費用は前年同期比11.0%増の10億9830万ドルだったものの、売上の伸びが相殺している。売上高は23.2%増の15億1200万ドルとなり、市場予想の15億ドルを上回った。

売上のうち、会員収入・サポートは22.5%増の14億530万ドル、プロフェッショナル・サービスは33.2%増の1億590万ドルだった。国・地域別では米国大陸が27.2%増の11億1510万ドル、欧州は12.2%増の2億5880万ドル、アジア・太平洋は14.7%増の1億3720万ドル。シェア別では米国大陸が74%、欧州が17%、アジア太平洋が9%だった。

2015年度(2016年1月末終了)の売上高は、従来の64億7500万〜65億2000万ドルから上方修正した。見通しには、ドル高による1億7500万〜2億ドルの下押しを含む。前年比では21〜22%増にとどまり、過去2年間の32%増、33.5%増から鈍化を示した。調整済み1株当たり利益は、0.69〜0.71ドルを予想した。

5−7月期の売上高は15億9000万〜16億ドルとし、前年比は21%増となる。調整済み1株当たり利益は0.17〜0.18ドルを見込む。

ベニオフCEO、年後半には通期の売上70億ドルのペースへ到達すると強気。
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(出所:James Martin/CNET)

同社はIBMをはじめマイクロソフト、オラクルによる買収が取り沙汰されている。時間外取引では決算を好感し、一時7%近くも急伸した。

▽Lブランズ

女性向け下着・バス関連ブランドが発表した2−4月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比59.6%増の2億5050万ドルだった。資産売却など特殊項目を除く1株当たり利益は0.61ドルで、市場予想の0.60ドルより強い。営業利益は11%増の3億7180万ドル。粗利益率は42%と、前年同期の41.1%から上昇している。売上高は5.0%増の25億1190万ドルとなり、市場予想の25億4000万ドルを下回った。既存店売上高は5%増となる。

ブランド別動向は、以下の通り。

>ビクトリアズ・シークレット
売上高 5.0%増の16億8390万ドル
既存店売上高 5%増>前年同期は2%増
4月既存店売上高 0%<前年同期は8%増

>ビクトリアズ・シークレット直販
売上高 5.6%減の3億3830万ドル
既存店売上高 4%増<市場予想は5%増、前年同期は0%
4月既存店売上高 10%減<前年同期は3%減

>バス・ボディ・ワークス
売上高 5.5%増の6億1330万ドル
既存店売上高 4%増<市場予想は4.6%増、前年同期は2%増
4月既存店売上高 1%減<前年同期は8%増

>ビクトリアズ・シークレット、バス・ボディ・ワークス海外
売上高 28.9%増の1億2320万ドル

2015年度(2016年1月末終了)の1株当たり利益は3.50〜3.70ドルを見込み、従来の3.45〜3.65ドルから上方修正した。5−7月期の1株当たり利益は0.60〜0.65ドルとし、市場予想の0.69ドル以下。前期の決算に続き、見通しは予想以下が続いている。イースター明けの失速を一因に売上高が市場予想に届かず、見通しも5−7月期がアナリスト予想以下だったため、時間外取引で株価は一時1.6%落ち込んだ。

おまけに、バーバリーをご紹介します。

イギリスの高級服飾ブランドが発表した2014年度(2015年3月末終了)決算では、純利益が前年同期比4.3%増の3億3630万ポンドだった。特殊項目を除く調整済み税引き前利益は、為替変動を含め1.1%減の4億5580万ポンド。市場予想の4億5190万ポンドを上回った。為替変動を除くベースでは7%増で、年間での為替差損は3800万ポンドに及ぶ。営業費用は9.2%増の13億3000万ポンドとなり、販売・一般管理費・流通費用そろって増加。利益の伸びを抑えた。

売上高は8.2%増の25億2000万ポンド。ドル高、ユーロ安スイスフラン急騰を背景に、売上高の為替差損は7200万ポンドに達した。売上のうち71%を占める小売は14%増の18億740万ポンドで、為替変動を含めた場合では11%増となる。既存店売上高は9%増だった。米国大陸、および欧州・中東・インド・アフリカが2桁の伸びを達成。アジア太平洋は5%増となり、香港での民主化デモが響いた。売上のうち26%を占める卸売は6%増の6億4810万ポンド、為替変動を含めたベースで3%増を示す。ライセンス収入は14%減の6770万ドルだった。

2015年度(2016年3月末終了)の為替によるプラス効果は1000万ポンドとし、ポンド安修正に合わせ従来の5000万ポンドから引き下げた。小売・卸売利益は4000万ポンドとし、市場予想に届かず。通期配当は10%引き上げ、35.2ペンスに設定した。株価は見通しや為替差損、営業費用の拡大を嫌気し、5.0%安の1717ポンドで引けた。

クリストファー・ベイリー最高経営責任者(CEO)体制下での、初の決算発表となる。前任のアンジェラ・アーレンツ氏はアップルに移籍し、最高小売責任者に着任した。

(カバー写真:Bloomberg)

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