Consumer Price Index Rises For The First Time In 4 Months, As Energy Drag Fades.
米2月消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%上昇し、市場予想と一致した。2008年12月以来の水準へ沈んだ前月の0.7%の低下から上昇に反転。4ヵ月ぶりにプラス圏へ戻している。原油安一服を背景にエネルギーが1.0%の上昇と、前月の9.7%を含む7ヵ月に及ぶ低下基調から脱した。特に、ガソリン価格が2.4%上昇。エネルギー情報局(EIA)によると、ガソリン平均価格は1月26日時点で2.173ドルと2009年4月以来の水準まで下落した後、2月23日週には2.432ドルまで上昇していた。そのほか、食品・飲料も0.1%の上昇となり、7ヵ月ぶりに低下した前月から改善している。
CPIコアは市場予想の0.1%を上回り、1月に続いて前月比0.2%の上昇を示した。シェアの大きい帰属家賃は7ヵ月連続で0.2%上昇。住宅も前月の0.1%を経て、0.2%へ戻した。家賃は0.3%と6ヵ月連続で上昇。サービスは0.1%と、堅調な上昇トレンドを保つ。ホリデー商戦の値引きが一服し、服飾は前月に続き0.3%だった。燃料価格が反発するなか、航空運賃は0.2%上昇。中古車・トラックは0.4%の上昇を示し、5ヵ月ぶりにプラスへ転じた。一方で、娯楽は横ばいに戻し前月の0.2%の上昇から鈍化。医療費も2ヵ月連続で横ばいだった。教育は0.1%低下し、3ヵ月ぶりにマイナス転落。パソコンが教育を押し下げ、0.2%の低下を示す。
CPIの前年比では、±0%。前月は0.1%低下と、2009年10月以来初めてマイナスに落ち込んでいた。CPIコアの前年比は市場予想と同じく1.7%上昇し、11ヵ月ぶり低水準だった前月の1.6%から改善した。
前月比のCPIヘッドライン、ようやく上昇に反転。
(出所:BLS)
バークレイズのブレリナ・ウルシ米エコノミストは、今回の結果を踏まえ「エネルギー価格の下押しを除けばヘッドラインのCPIは3月も前月比でプラス圏を確保できる見通しで、前年比も夏場にかけ回復歩調をたどる可能性を示した」と指摘。また「コアCPIが2ヵ月連続で前月比0.2%上昇だった点は心強い」としつつ、「ドル高の余波と原油安に伴う二次的影響が現れる見通しで、コアCPIが目標値2%に達するのは2016年頃との予想を維持する」とまとめた。
——今回の結果を受け、米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーはひと安心したことでしょう。3月FOMCでのインフレ見通し達成に望みが出てきました。前日のフィッシャー米連邦準備制度理事会(FRB)副議長が年内利上げに意欲を示したのも、こうした数字が念頭に入っていたのかもしれません。ただしPCEコアに置き換えた場合、1月の1.31%から1.37%へ上昇する程度と見込まれ、6月利上げ観測が強まったと判断するのは時期尚早でしょう。
(カバー写真:Daniel Oines/Flickr)
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