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米大統領選に出馬表明したテッド・クルーズ議員、勝機はいかに?

by • March 23, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off8421

Ted Cruz To Run For President, ‘Imagine’ His Winning Possibility.

テッド・クルーズ米上院議員(テキサス州、共和党)が22日夜、正式に2016年の米大統領選に出馬表明しました。有力候補のうち、名乗りを挙げたのは共和党、民主党合わせて初めてとなります。

44歳と若手らしく、ツイッターの動画30秒を通じて表明。

tedcruz
(出所:Twitter)

草の根保守運動ティーパーティーに支持され2012年に米上院議員に選出されたばかりのクルーズ議員は、カナダのアルバータ州カルガリー出身。キューバ系移民の父と、アメリカ人の母の間に生まれました。カナダ生まれだったのでカナダ人でしたが、2005年にアメリカ市民権を取得しております。

プリンストン大学ウィルソンスクール、ハーバード・ロ—スクールを卒業後は米公正取引委員会(FTC)の政策立案部ディレクターを務めたほか、ヒスパニック系で初めて米連邦最高裁判所のウィリアム・レンキスト長官の調査官に就任。2000年にかけ米大統領選挙出馬を狙うジョージ・W・ブッシュ前大統領の政策アドバイザーを歴任し、当選後は米司法省の副次官に任命されました。奥様ハイディは、ゴールドマン・サックスのマネージング・ディレクターでございます。

ヒスパニック系庶民ながら、スピーチ大会で優勝するほどの雄弁さ隅々まで活かし政界入りしたクルーズ議員。アンチ・オバマ米大統領の急先鋒の1人です。医療制度改革法案(オバマケア)阻止を目指し幅広く活動するだけでなく、かつて「ケニアに帰れ」、「マルキスト」と舌鋒鋭く非難してきました。彼を一躍有名にさせたのは、2013年9月に債務上限引き上げ・暫定予算交渉で行った21時間19分に及ぶフィリバスターでしょう。

気になる政策はというと・・・オバマケア撤廃を訴えかけたのは言うまでもありません。そのほか出馬表明のステージで観衆に対しジョン・レノンよろしく「想像してごらん(Imagine)」と語りかけた内容には、「内国歳入庁(IRS)の廃止」が挙がっていました。2012年をはじめ大統領選に幾度となく出馬、2013年に引退したロン・ポール元下院議員(テキサス州)が、米連邦準備制度理事会(FRB)の消滅を目指して以来の衝撃です。

ツイッターの反応はというと「サラ・ペイリンのウザい弟みたいだ」など、辛辣。
twitter
(出所:Salon)

せっかく立候補したものの、3月13−15日に実施したCNNの世論調査ではテッド・クルーズ米上院議員に追い風が吹いている状況とは言えません。

米大統領にふさわしい人物は「指導者としての経験を積んでいる」との回答が59%に達しました。特に民主党でベテランを望む声が多く77%に達し、共和党でも51%と過半数となっています。一方で「オバマ米大統領の政策から脱却できる」候補者を望む声は57%に及び、クルーズ議員にはホッとひと安心できる回答が導き出されています。

ただし、CNNが別にまとめた世論調査で共和党の人気ナンバーワンはジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事でした。2位は2011年に州職員集団交渉権を制限する法案を可決させ話題となったウィスコンシン州スコット・ウォーカー知事、3位はロン・ポール元下院議員の息子ランド・ポール米上院議員(ケンタッキー州)、4位に元アーカンソー州知事のマイク・ハッカビー氏と続きます。肝心のクルーズ議員は、同じくキューバ系で2013年の一般教書演説の反対演説で話題になったマルコ・ルビオ米上院議員(フロリダ州)にも及ばず、8位に過ぎません。ちなみにブッシュ元州知事を除き、上位にはティーパーティー派がズラリ並びました。

1位 ジェブ・ブッシュ 16%
2位 スコット・ウォーカー 13%
3位 ランド・ポール 12%
4位 マイク・ハッカビー 10%
5位 ベン・カーソン(小児神経外科医) 9%
6位 クリス・クリスティー(NJ州知事) 7%
6位 マルコ・ルビオ 7%
8位 テッド・クルーズ 4%
8位 リック・ペリー(テキサス州知事) 4%
10位 ジョン・カシチ(オハイオ州知事) 2%

民主党ではご想像の通り、ヒラリー・ロダム・クリントン前米国務長官が余裕のトップで62%を獲得しています。2位のジョン・バイデン米副大統領の15%を、大きく突き放していました。調査期間の3月13−15日にはヒラリー前米国務長官の任期中に私用メールを使うという規定違反が発覚していたものの、全く影響は現れず。民主党・米大統領候補の最右翼として、順風満帆といったところです。

(カバー写真:Gage Skidmore/Flickr)

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