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S&P500、24営業日連続で続伸遂げられず

by • March 23, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2010

S&P 500 Has Gone 24 Consecutive Sessions Without Back- To-Back Advances.

米株は、小幅反落してしまいました。立ち会いこそ、米2月中古住宅販売件数が市場予想以下でドル高の巻き戻しを誘い買いを促進。クリーブランド連銀のメスター総裁がバブル警戒を払拭させるようなコメントを寄せたほか、注目のフィッシャーFRB副議長も年内利上げの可能性を点灯させつつ2004−06年当時のような会合ごとの25bp利上げシナリオを否定し、ダウ平均は約2週間半ぶりに18200ドルを超えを達成したものです。しかしながら引け際に失速、3月に入って初めての続伸はお預けとなってしまいました。S&P500も反落。イエレンFRB議長による議会証言以前の2月17日以来となる続伸を達成するのにあと一歩に迫りながらダウ平均と同じく小幅安で引けました。本日で続伸を達成できなかったのは24営業日連続で、2008年以来初めて。ボラティリティの高い相場を物語るかのようです。

23日の個別株動向を振り返ってみましょう。

19日からAT&Tの代わりに構成銘柄に組み入れられたアップルは、1.0%高で引け。カウエンが独自に世界3000人を対象に実施した調査で、”iPhone 6”と”iPhone 6プラス”の保有者のうち25%がアンドロイドから機種変更していたことが分かりました。アップル・ウォッチへの評判も、上々。回答者のうち、50%が「強い関心を寄せている」とコメントしていたのです。

タグ・ホイヤーのCEOの感想は「デザインがもっとセクシーだったらねぇ」と、余裕綽々。
apple watch
(出所:Apple)

カウエンのアナリスト、オリバー・チェン氏はスマートウォッチ市場につき「いずれ10億ドル規模に膨らむ」と予想。ただし、現状は慎重な姿勢も覗かせます。”アップル・ウォッチ”に熱い視線が送られているとはいえ、従来の腕時計からスマートウォッチへのシフトには時間がかかると指摘していました。理由として、1)バッテリー持ち時間、2)iPhoneでのテザリング状況、3)耐水性、4)価格——を挙げていました。その上で、回答者の77%が「補完的商品」と位置づけたといいます。一連の調査結果は全体的にポジティブだったため、カウエンはアップルの投資判断を”オーバーウェイト”で据え置き、株価を115ドルから135ドルへ上方修正。足元の株価から、約6%の上昇を見込みます。

反対に鉄道株は、相場にブレーキを掛けました。犯人は、カンザスシティ・サザンで8.0%安で引け。鉄道輸送大手は2015年の業績見通しを1−4%増とし、従来の5%増から引き下げたのです。アナリスト予想平均の6%にも届かず。原油安と在庫余剰に伴いエネルギー関連企業の輸送需要が低下したほか、対ドルでのメキシコ・ペソ安も業績の重しになると説明していました。特に1−3月期の収入は横ばいを見込み、こちらも市場予想の5%増にいたらず。同社のガイダンスを背景に鉄道関連はそろって大幅安を迎えCSXが4.2%安だったほか、ノーフォーク・サザンも3.5%安、ユニオン・パシフィックも4.0%安でした。

ダウ平均やS&P500が3月2日に最高値を更新し、ラッセル2000も前週末に最高値をつけたものの、鉄道株は上げ渋り続けています。今年に入ってまだ、最高値を更新していないんですね。エコノミストの間で1−3月期成長率が次々に下方修正され、3月17−18日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で公表された経済・金利見通しでも成長見通しは引き下げられました。景気に明るい材料が見当たらない現状を、鉄道株は反映しているようです。

景気先行指標とされるダウ輸送株、昨年末の高値になかなか届かず。
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(出所:Stockcharts)

米株の期待の星、バイオテクノロジー株も前営業日に急伸した反動で下落していました。バイオジェン・アイデックは2.6%安で引け。スティフェル・ニコラウスは、バイオテクノロジー大手の投資判断を従来の”買い”から”保有”ヘ引き下げたことが一因です。株価が向こう12ヵ月先の目標値に達したと説明しています。 同社は前週末、フランスのニースで開催されたカンファレンスで開発中のアルツハイマー治療薬“BIIB037(aducanumab)”が臨床試験で予想以上の成果を上げたと発表。アルツハイマーの原因となるアミロイド班の減少のほか、進行の遅れを確認し9.8%もの大幅高を遂げていたので、利益確定の売りが入ったのでしょう。バイオジェンに連れ、割高感が意識されるバイオテクノロジー株は軒並み売られセルジーンは5.3%安、ヴェルテックス・ファーマシューティカルも5.8%安でした。

ダウ平均とS&P500のお預け記録は、いつまで続くのか。ひとまず、米2月消費者物価指数をはじめ指標が多い24日に上昇できるか試されます。

(カバー写真:Scott Beale/Flickr)

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