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米3月新車販売台数は年率で1700万台回復も、GMとフォードは減少

by • April 1, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off3892

GM And Ford Tap The Breaks On Sales, While Toyota Accelerates In March.

米3月新車販売台数は、ビッグ3そろって市場予想を上回ることができなかった。ガソリン価格が底打ちしウェルズ・ファーゴがサブプライム層向けローン組成額に上限を設定するなか、第1四半期のフィニッシュは期待に届かず。大寒波という悪材料が払拭されたものの、3月は前年より週末が1週少なく売上に影を落としたようだ。

オートデータが発表した米3月新車販売台数は、前年同月比0.6%増の154万5802台だった。春の到来を受けて2月の125万7619台を22.9%上回っている。年率でも1715万台となり、市場予想の1680万台および前月の1620万台を超え4ヵ月ぶりに1700万の大台を突破した。もっともビッグ3に日本車御三家を合わせた6社のうち、前年比で増加したのはトヨタとフィアット・クライスラー・オートモビルの2社。前年同月比で増加し予想を上回ったのはトヨタのみで、フィアット・クライスラーは市場予想と一致した。

ケリー・ブルー・ブックによると、3月の平均販売価格は前年同月比3.5%上昇の3万3280ドル(約400万円)。前月比では0.1%低下し、2ヵ月連続でマイナスだった。前年比で価格が上昇した一因として、引き続きSUVやトラックや輸入車など高価格帯の好調な売れ行きが挙げられる。エドマンズ・ドットコムの調査では、特に2014年までの10年間でトラックの値上がりが著しく41%を遂げ、SUVの9%を大幅に上回っていた。平均ローン期間は2014年10−12月期で66ヵ月と、業界で最高水準近くを維持。NPRは自動車ローン全体のうち約3分の1が74ヵ月つまり6年以上とも伝えており、自動車ローン融資の緩和が大型車や高級車の需要を支えたことが伺える。

年間ではガソリン価格の下落とペントアップ・ディマンドを受け絶好調だった2014年に続き、2015年も快進撃を維持するとの見方が優勢。2015年の新車販売台数につき、自動車ディーラー最大手オートネーションのほか自動車価格情報サイトのトゥルーカーも「1700万台」を予想する。8年ぶりの高水準に並んだ2014年の販売台数を超える見通しだ。

以下、ビッグ3をはじめメーカー別動向。

GMは前年同月比2.4%減の24万9875台となり、市場予想の1.4%減より下げ幅を広げた。4大ブランド別では、2ブランドが増加し前月の3ブランドから減少している。トラックやSUVを抱えるGMCが1.3%増の4万1707台とけん引し、1−3月期ベースでは2005年以来で最高を記録した。高級車ビュイックも0.5%増の2万526台と、3ヵ月ぶりに増加に反転。ただし高級ブランドのキャデラックは6.8%減の1万3756台と2ヵ月連続で減少したほか、シボレーも3.2%減の17万3886台で減少に転じた。

フォードは3.4%減の23万5929台となり、市場予想の5.4%減より下げ幅を縮小した。2大ブランド別では、そろって前年比で減少。ただし、前月にトヨタに明け渡した2位の座を奪回した。フォードは、3.4%減の22万7234台。SUVの「エクスプローラー」が17%増の2万765台と過去10年間で最高を遂げたが、小型車の「フォーカス」の14.5%減などが落ち込み全体を押し下げた。生産体制が整いつつあるものの、アルミ製ボディの新型トラック「Fシリーズ」は4.6%減の6万7706台と2ヵ月連続で減少している。一方で、リンカーンは3.1%減の8965台と2ヵ月連続で減少した。

フィアット・クライスラー・オートモビルは、1.7%増の19万7261台となり市場予想と一致した。前年比プラスは60ヵ月連続であり、単月ベースでは2007年以来で最高を達成している。5大ブランド別では、2月と同じく3ブランドが前年比プラスを迎えた。今回もジープがけん引役で23%増の7万1584台と、2月に続き単月で史上最高を更新した。クライスラーは15%増の3万38台と、単月では2年ぶりの高水準となる。ラムは1%増の4万5023台となり、2007年以来で最高を遂げた。一方で、ドッジは24%減の4万649台。フィアットも5%減の4494台と、それぞれ2ヵ月連続でマイナスを示した。

日本車では、トヨタが前年同月比4.9%増の22万5959台だった。 販売台数ではフォードの追撃に屈し、3位に順位を落としている。しかしながら3月に前年同月比で増加し、市場予想を上回ったのはトヨタのみだった。ブランド別では、トヨタが4.4%増の19万4905台。1−3月期では、過去13年間で最高を達成。レクサスは8.6%増の3万1054台と2007年以来で最高となる。

日産は2.7%減の14万5085台となった。ブランド別では日産が3.0%減の13万2560台ながら、過去2番目の高水準を遂げている。SUV/トラック部門の「ローグ」のほか「ムラノ」、「パスファインダー」が押し上げ過去最高を達成した。インフィニティは0.2%増の1万2525台だった。

ホンダは5.3%減の12万2693台だった。ブランド別ではホンダが5.2%減の11万1623台となり、セダン「アコード」が24.1%減と弱くSUVの「CR-V」が過去最高を達成だった分を相殺している。アキュラは5.8%減の1万4670台と5ヵ月ぶりに減少に転じた。

3月版:自動車メーカー別のシェア、トヨタは前月の2位から4位に転落。

USA auto brand market share sales chart March 2015
(出所:Good Car Bad Car)

高級車部門別ランキングは、以下の通り。%は、全て前年比

1位 BMW
6.9%増の3万4310台、今年初めてトップを奪取。1−3月期では8.4%増の7万8492台、2014年ではトップ。
2位 メルセデス・ベンツ
10.2%増の3万2300台、1−2月の王座から陥落。1−3月期では8.4%増の8万3715台で首位を維持、2014年では2位ながら、2013年は1位だった。
3位 レクサス
8.6%増の3万1054台、前月と同じく3位。1−3月期では18.6%増の7万7180台。
4位 ビュイック(GM)
0.5%増の2万526台、前月と同じく4位。1−3月期では4.5%減の5万497台。
5位 アウディ(VW)
20.0%増の1万7102台、前月の8位から急浮上。1−3月期では13.8%増の4万98台。
6位 アキュラ
5.8%減の1万4670台、前月の5位から転落。1−3月期では4.5%増の3万9644台。
7位 キャデラック
6.8%減の1万3756台、前月の6位から転落。1−3月期では6.1%減の3万7175台。
8位 インフィニティ
0.2%増の1万2525台、前月の7位から転落。1−3月期では8.4%増の3万3842台。

その他の海外メーカーではアウディを除くVWが18.2%減の3万25台と、2ヵ月連続で減少した。ヒュンダイは12.0%増の7万5019台と4ヵ月連続でプラスを示した。

▽3月版:新車販売台数、ブランド別ランキング(%は前年同月比)

1位 カムリ(トヨタ)2.7%減の4万800台、前月も1位
2位 カローラ(トヨタ)19.7%増の3万5532台、前月は3位
3位 アルティマ(日産)10.9%減の3万1193台、前月は2位
4位 フュージョン(フォード) 11.9%減の2万9044台、前月は4位
5位 エラントラ(ヒュンダイ)33.8%増の2万8794台、前月は9位
6位 シビック(ホンダ)2.6%減の2万6095台、前月は6位
7位 アコード(ホンダ)23.4%減の2万6018台、前月は5位
8位 クルーズ(シボレー・GM)11.0%減の2万3593台、前月は7位
9位 セントラ(日産) 10.1%増の2万1277台、前月は10位
10位 フォーカス(フォード)14.5%減の2万497台、前月は11位

(カバー写真:Fiat Chrysler Automobiles)

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