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米2月雇用動態調査、新規採用者数と離職者数は前月に続き減少

by • April 7, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2222

Job Openings Reach A 14-Year High, While The Number Of Hires Keep Decreasing.

米労働省が発表した米2月雇用動態調査(JOLTS)は、求人数が前月比14.0%増の513.3万人と市場予想の496.5万人を上回った。前月の498.6万人(499.8万人から下方修正)を超え、2001年1月以来の高水準を遂げている。

新規採用者数は、前月比1.6%減の491.6万人だった。リセッション入り直前にあたる2007年11月以来の高水準を達成した2014年12月の523.9万人増(514.8万人増から上方修正)から、2ヵ月連続で減少している。米2月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)が改定値で26.4万人増と、1月の20.1万人増と同じく2014年12月の30万人台から減速していたことと整合的だ。

離職者数は、前月比3.8%減の465.0万人。前月の483.4万人(490.1万人から下方修正)に続き、2ヵ月連続で減少した。定年を含む自己都合による退職者が268.7万人と前月の279.9万人を下回り3ヵ月ぶり低水準だったほか、解雇者数も159.1万人と前月の172.5万人(172.2万人から修正)を下回り2ヵ月連続で減少。少なくとも過去6ヵ月間で最低となる。

JOLTSの求人率をみると2ヵ月連続で3.4%を経て、今回は3.5%へ上昇した。民間が前月の3.6%から3.8%ヘ上向いており、民間のうち建設、貿易・輸送・公益、小売、娯楽・宿泊が前月を上回っている。一方で専門・その他サービス、教育・健康は横ばい。製造業は低下した。政府は前月の2.2%から2.1%へ下向いた。

就業者に対する新規採用率は、前月に続き3.5%だった。民間が前月と同じく3.9%で、政府機関も前月と変わらず1.5%となる。自発的あるいは引退などを含めた離職率は前月の3.4%から3.3%へ低下し、2ヵ月連続で低下した。民間が前月の3.8%から3.6%へ低下しており、政府は前月の1.5%で変わらず。自発的離職率は1.9%と、2008年4月以来で最高だった2.0%から低下した。リセッションが開始した2007年12月の2.1%が、遠ざかっている。解雇率は前月まで1.2%を経て、1.1%へ低下した。

求人率は変わらずだった一方、新規採用率(青)は横ばいで離職率(赤)は低下。
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(出所:BLS)

2月までの過去1年間で、離職者数は5910万人、採用人数は5930万人だった。ネット採用者数は、320万人増となる。求人1件当たりの競争倍率は1.7倍へと前月の1.8倍から低下。2014年12月に続き、景気後退に突入する直前の2007年11月の水準に並んだ。

——以上、米2月雇用動態調査を受けたイエレン・ダッシュボードをおさらいすると、クリアした項目はこれまでと変わらず。()内の最悪時点とは、金融危機以降での最も弱い数字を示します。

1)求人率—○
2009年7月(最悪時点) 1.6%
2004−07年平均 3.0%
現時点 3.5%

2)解雇率—○
2009年4月(最悪時点) 2.0%
2004−07年平均 1.4%
現時点 1.1%

3)自発的離職率—×
2010年2月(最悪時点) 1.3%
2004−07年平均 2.1%
現時点 1.9%

4)採用率—×
2009年6月(最悪時点) 2.8%
2004−07年平均 3.8%
現時点 3.5%

5)非農業部門就労者数—○
2009年3月までの3ヵ月平均(最悪時点) 82.6万人減
2004−07年の3ヵ月平均 16.2万人増
現時点の3ヵ月平均 19.7万人増

6)失業率—×
2009年10月(最悪時点) 10%
2004−07年平均 5.0%
現時点 5.5%

7)不完全失業率—×
2010年4月(最悪時点) 17.2%
2004−07平均 8.8%
現時点 10.9%

8)長期失業者の割合—×
2010年4月(最悪時点) 45.3%
2004−07年平均 19.1%
現時点 28.9%

9)労働参加率—×
2014年9月(最悪時点) 62.7%
2004−07年平均 66.1%
現時点 62.7%

——米2月雇用動態調査は求人件数が1月に続き2001年1月以来の高水準を遂げた一方、自発的離職者と新規採用者数は2ヵ月連続で減少していました。新規採用者数の落ち込みをみると、引き続き採用側と応募者とのミスマッチは明白です。解雇者数の減少はグッドニュースである半面、離職者数の減少は職探しが容易でなくなりつつある環境を示唆。米3月チャレンジャー人員削減予定数が3ヵ月連続で増加しており、企業の買収・合併(M&A)や需要鈍化が確認されていた点は気掛かりです。

前日に米連邦準備制度理事会 (FRB)が発表した米3月労働市場情勢指数(LMCI)も、労働市場が正常な状態に戻るまで時間が掛かる可能性を点灯させていました。市場関係者の間で悪材料を通じ年内利上げ観測の後退を招き、米株は再びモメンタムを取り戻しつつあります。

(カバー写真:COD Newsroom/Flickr)

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