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米4月消費者信頼感指数、春なのに1−3月期の上昇分を相殺

by • April 28, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1696

Consumer Confidence Gives Back Q1 Gains In April.

米4月消費者信頼感指数は95.2と、市場予想の103.0を下回った。前月の101.4(101.3から上方修正)にも届かず、2007年8月以来の高水準だった1月の103.8が遠のいている。さらに1−3月期の上昇分を全て打ち消し、4ヵ月ぶりの水準へ低下した。内訳をみると、現況指数が106.8と前月の109.5から低下し3ヵ月連続で前月割れに。見通し指数にいたっては87.5と、前月の96.0から急低下し7ヵ月ぶりの水準に沈んだ。

発表元であるカンファレンス・ボードのリン・フランコ・経済指標ディレクターは、今回の結果に対し「3月に上昇した分を全て打ち消し、精彩を欠いた労働市場が現況指数と短期見通しを押し下げたとみられる」と分析し。その上で、前回に続き「モメンタム回復は想定しづらい」とまとめている。

JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、結果を受け「4−6月期に個人消費が改善する見通しに疑問符を持たせる」と指摘した。

消費者センチメント、気温が急低下に負けず健気に咲く桜のような強さは見せず。
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(出所:Facebook/L.C)

今回は現状の労働市場に対し「職が豊富」から「職探しが困難」を引いたDIは、マイナス7.3。2−3月の4.8はもちろん、少なくとも2008年2月以来の水準へ改善した1月のマイナス3.9から再び下げ幅を広げている。見通し指数は、ビジネス環境をはじめ労働市場、所得全てにおいて楽観度が後退した。以下は、結果の詳細。

ビジネス環境については、「良い」と「悪い」がそろって低下
「良い」26.5%→前月まで2ヵ月連続で26.7%、前年同月は22.2%
「悪い」18.2%→前月の19.4%から低下、前年同月は24.8%

労働市場については、「豊富」が低下し「困難」が上昇
「職が豊富」19.1%→前月の21.0%から低下、前年同月は13.0%
「職探しが困難」26.4%→前月の25.5%から上昇、前年同月は32.8%

6ヵ月先のビジネス環境への見方は、「良くなる」が低下し「悪化する」が上昇
「良くなる」16.0%→前月の16.8%から低下、前年同月は17.2%
「悪化する」9.4%→前月の8.1%から上昇、前年同月は10.5%

6ヵ月先の労働市場への見方は、「増加」が低下し「減少」が上昇したため「減少」が「増加」を逆転
「雇用が増加する」13.8%→前月の15.3%から低下、前年同月は14.7%
「雇用が減少する」16.3%→前月の13.6%から上昇、前年同月は18.0%

6ヵ月先の所得への見方は、「増加」が低下し「減少」が上昇
「増加する」18.3%→前月の18.8%から低下、前年同月は16.8%
「減少する」11.2%→前月の9.7%から上昇、前年同月は12.9%

購入見通しは、低下が優勢。自動車が10.8%となり、1年前の水準近くへ下振れした。主要機器も46.8%と、前月の48.4%以下となっただけでなく1年前の45.9%を視野に入れている。一方で、住宅は5.2%と前月の4.8%から上昇に転じ2月の水準近くを回復した。

——春なのに、センチメント低下ですか。涙がこぼれるとまでは言いませんけど、エコノミストをはじめFed関係者を落ち込ませたこと必至。特に米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文公表を翌29日に控え、購入見通しも芳しくなく消費への楽観姿勢が後退するか意識されます。

(カバー写真:Valentina F/Flickr)

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