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新緑の5月は別れの季節・・あの人たちの贈る言葉

by • May 18, 2015 • Latest News, NY TipsComments Off1973

Tim Cook And George W Bush, Their Commencement Speeches.

日本では桜が舞い落ちる1ヵ月前、3月こそ別れの季節。アメリカでは、5月後半から卒業式シーズンがスタートします。

前週末には早速、政界とIT業界の卒業生に贈る言葉を届けています。まずは本日、カール・アイカーン氏の公開書簡でも話題になったアップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)。17日にジョージワシントン大学の卒業式に登壇したクックCEOは、「iPhoneをお持ちの方はサイレント・モードに、iPhoneをお持ちでない方は通路にお出し下さい。アップルは世界第一のリサイクル・システムを有していますよ」なんてアンドロイドを狙い撃ちしたジョークも忘れません。

iPhone6を取り出し、写真撮影する一幕も。
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(出所:Business Insider/Vimeo)

20分にわたるスピーチは、生まれ育ったアラバマ州から初めてワシントンD.C.へ赴いた思い出で幕を開けました。当時16歳だった彼は作文コンクールで受賞し、道中に立ち寄ったモントゴメリーでアラバマ州知事のウォレス氏、D.C.ではカーター米大統領と2人の南部出身の政治家に出会い感銘を受けたエピソードを披露。また敬愛するキング牧師の名前は、3回登場したといいます。もちろん、今は亡きスティーブ・ジョブズ前CEOも「絶えずあらゆることに質問を求める人だった」と、振り返っていました。

ハイライトは、こちらのメッセージでしょう。クックCEOは「現状維持の生き方を望まないはずだ。世界という大舞台は、君たちを必要としている。解決すべき問題が並び、不正は終わりを迎えねばならず、人々は虐げられ、病気は治療される必要がある。君たちが次のステップで何をしようとも、世界は君たちのエネルギー、情熱、切望が必要なのだ。リスクを恐れてはならない」。

アップルはクックCEOの下、ジョブズ前CEO時代には手控えていた配当や自社株買いといった株主還元策、社債発行など新しい戦略を打ち出してきました。こうしたクックCEOの有言実行たる姿勢は、学生の心に響いたことでしょう。クックCEOのスピーチ、詳細はこちらでご覧下さい。

16日には、ホワイトハウスの主だったこの方がサザン・メソジスト大学(テキサス州ダラス)に姿を現しました。ジョージ・W・ブッシュ前米大統領です。米大統領の任期切れを迎えてから、初めて卒業式で祝辞を述べる役割を担いました。ただし、1999年にテキサス州知事時代に登壇したので同大学での演説は2回目だとか。

オバマ米大統領に負けず、この方も軽やかなジョークを飛ばしていました。「私の地主であるジェラルド・ターナー学長から電話がかかってきね・・。家賃引き上げや保証金差し押さえを脅かすものではなく、演説の自由を信じるかと尋ねたんだ」。ブッシュ米大統領が自身が有する土地で生活していないはずはないので、これも彼流の冗談なんでしょうかね。

絵をたしなむブッシュ前米大統領、「チャーチル元英首相には程遠い」ともご謙遜。
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(出所:G.J. McCarthy/The Dallas Morning News)

軽やかな弁舌は、そこだけにとどまりません。「好成績で巣立つ皆様方には、よくやったと伝えたい。成績がC(イメージでいうと70点台)だった学生諸君、大丈夫だ君たちも米大統領になれる」。ブッシュ米大統領、飲酒運転で逮捕されたやんちゃな過去もありますしイェール大学時代の成績はCでもおかしくありません。

もちろん、演説は軽いトーンで終始していませんよ。「アメリカの最良の日は終わったと一部は言う。君たちのような輝かしい新たな世代を抱える我々は力強く、現状は暗黒というより素晴らしい時代を迎えている」と勇気づけることも忘れませんでした。

(カバー写真:Vimeo)

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