Consumer Confidence Edges Higher In May.
米5月消費者信頼感指数は95.4と、市場予想の95.1および前月の94.3(95.2から上方修正)を上回った。ただし、2007年8月以来の高水準だった1月の103.8が遠のいたままだ。3ヵ月平均も97.0と、4ヵ月ぶり低水準となる。内訳をみると、現況指数が108.1と前月の105.1から上昇し前月割れを3ヵ月で止めた。ただし、見通し指数が86.9となり前月の87.1から低下し8ヵ月ぶりの水準に沈んだ。
発表元であるカンファレンス・ボードのリン・フランコ・経済指標ディレクターは、今回の結果に対し「4月の急低下を経て、小幅に改善した」と振り返る。その上で、現況指数の上向きを評価しつつ「短期的な見通しは、慎重さを保つ」と従来通り抑制的なトーンを保った。
大和キャピタル・マーケッツのマイケル・モラン米主席エコノミストは、結果を受け「5月までの3ヵ月平均は1−3月期の101.3を下回ったとはいえ、リセッション前のレンジ下限に位置しており底堅い」と評価した。
消費者センチメント、足元2ヵ月の鈍化は限定的。
今回は現状の労働市場に対し「職が豊富」から「職探しが困難」を引いたDIは、マイナス6.6。4月のマイナス6.9から縮小しつつ、2008年2月以来の水準へ改善した1月のマイナス3.9には届いていない。現況指数のビジネス環境、雇用、見通し指数でもビジネス環境などで楽観度・悲観度ともに強まりをみせるなど、まちまちな様相を呈している。見通し指数のうち雇用は改善、所得は楽観度の後退を確認した。以下は、結果の詳細。
ビジネス環境については、「良い」と「悪い」がそろって低下
「良い」25.2%→前月の25.5%から低下、前年同月は21.1%
「悪い」17.4%→前月の19.2%から低下、前年同月は24.6%
労働市場については、「豊富」と「困難」がそろって上昇
「職が豊富」20.7%→前月の19.0%から上昇、前年同月は13.0%
「職探しが困難」27.3%→前月の25.9%から上昇、前年同月は32.2%
6ヵ月先のビジネス環境への見方は、「良くなる」と「悪化する」がそろって上昇
「良くなる」15.6%→前月の15.4%から上昇、前年同月は17.7%
「悪化する」10.8%→前月の9.1%から上昇、前年同月は10.7%
6ヵ月先の労働市場への見方は、「増加」が上昇し「減少」が低下したものの「減少」が逆転した状況は変わらず。
「雇用が増加する」14.6%→前月の13.8%から低下、前年同月は15.2%
「雇用が減少する」15.5%→前月の16.4%から低下、前年同月は18.9%
6ヵ月先の所得への見方は、「増加」が横ばいで「減少」が上昇
「増加する」17.4%→前月の17.4%と変わらず、前年同月は18.0%
「減少する」11.1%→前月の10.8%から上昇、前年同月は14.5%
購入見通しは、上昇が優勢。住宅が5.5%と、前月の5.1%から上昇し3ヵ月ぶりの高水準を示す。自動車も11.9%となり、1年前の水準近くで変わらずも前月の11.1%から改善した。主要機器も49.1%と、前月の47.2%を超え3月の水準近くへ切り返した。
米5月マークイット・サービス業PMIは56.4となり、市場予想の56.5にあと一歩及ばず。前月の57.8から低下しており、新規受注が年初来で最低だったほか、ビジネス活動が足を引っ張った。ただし雇用は2014年6月以来の高水準を示す。結果を受け、マークイットのクリス・ウィリアムソン主席エコノミストは「健全なペースで成長している」と評価。米4−6月期国内総生産(GDP)は3%台を予想したほか、「Fedは利上げを年明けに先送りせず、年後半に実施してくる」との見通しも示した。
——イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長による22日の講演が指し示すように、消費者センチメントやサービス業PMIは底堅く、米4月耐久財受注も回復を示し早ければ9月利上げのムードが立ち込めてきました。ドル高・金利上昇を景気回復の証と判断する余裕を見せるのか、ファンダメンタルズの耐性が試されます。
(カバー写真:New York Tours On Board Tours)
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