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米5月PPIは2年半ぶり高水準、CPIへ波及する可能性

by • June 12, 2015 • Latest News, NightlifeComments Off3315

May Producer Prices Acceleration Suggests Spill Over To CPI.

米5月生産者物価指数(PPI)は前月比0.5%上昇し、市場予想の0.4%を上回った。前月の0.4%の低下から転じ、約2年半ぶりの高水準。過去6ヵ月間で、2回目の上昇を示す。コアPPIは市場予想と一致し、0.1%の上昇。前月の0.2%の低下からプラス圏へ戻した。PPIは前年同月比では1.1%低下し、2010年秋以来で最大の落ち込みを示した前月の1.3%から下げ幅を縮小。ただし、4ヵ月連続でマイナスをたどる。コアPPIも0.6%の上昇にとどまり、前月の0.8%に届かなかった。

内訳をみると、モノが1.3%上昇。前月と反対に、エネルギーと食品が全体を押し上げた。エネルギーは5.9%上昇し、前月の2.9%の低下を完全に打ち消している。食品は0.5%上昇し、低下トレンドを5ヵ月で止めた。サービスは±0%となり、前月の0.1%低下からマイナス圏を脱した。サービスのうち3割を占める貿易・サービスが0.6%上昇し前月の下げ幅をほぼ相殺。1割弱を占める輸送・倉庫は0.1%低下し、5ヵ月連続でマイナスに落ち込んでいる。サービスのうち6割を占めるその他サービスは0.2%低下、前月分の上昇を帳消しとした。

BNPパリバのローラ・ロスナー米エコノミストは、結果を受けて「加工食品が0.05%上昇し低下トレンドを6ヵ月でストップさせた」と振り返る。米5月輸入物価指数の上向きとともに「消費者物価指数(CPI)の上昇を示唆する」と指摘。仮に米5月CPIの前年比が同社予想の0.2%上昇を示せば、「2014年12月以来のプラス圏回復となる」とした。米5月PPIを基に試算した米5月PCEデフレーターは「0.22%の上昇」で、4月からの上振れを見込む。

——米5月輸入物価指数のように、インフレ前線はドル高、原油安といった抑制要因から解き放たれつつあります。卵クライシスが忍び寄るように、特に食品関連は物価を押し上げる可能性が濃厚。Fedが9月頃をメドに利上げを開始する理由がまたひとつ、増えたと言えそうです。

(カバー写真:Alexander Rabb/Flickr)

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