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フェデックスQ4決算、見通しそろって市場予想に届かず

by • June 17, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off3284

Fedex Delivers Weak Earnings And Disappointing Outlook.

配送大手フェデックスが17日発表した3−5月(第4四半期)決算では、純損失は8億9500万ドルと前年同期の7億8000万ドルの黒字から赤字に転じた。希薄後の1株当たり損失は3.16ドルで、前年同期の2.62ドルの黒字から赤字へ反転している。前週に報告したように、年金会計の変更を受け税引き前で22億ドル(1株当たり4.88ドル)引き当てたほか、独立系請負業者との訴訟をめぐる和解金2億2800万ドルの支払いにつき、1株当たり0.47ドル計上したという。また、貨物機の引退も1株当たり0.62ドル押し下げた。

調整済み利益は、前年同期比横ばいの7億5300万ドル。調整済み1株当たり利益は4.7%増の2.66ドルとなり、市場予想の2.68ドルより弱い。売上高は2.5%増の121億ドルと、こちらも市場予想の123億ドルに届かず。競合のUPSと同じく、ドル高や原油安による燃料サーチャージの低下が響いた。営業利益率は10.5%と、前年同期の10.3%を上回った。

売上の内訳は、以下の通り

エクスプレス(航空便による翌日配送サービス)
・売上高は4%減の67億ドル、米国内輸送量は2%増も燃料サーチャージ低下とドル高が重し
・営業利益は40%減の3億2200万ドル
・営業利益率は4.8%、前年同期は7.6%
・調整済み営業利益は12%増の5億9800万ドル
・調整済み営業利益率は8.9%、前年同期は7.6%

陸運
・売上高は19%増の35億7000万ドル、物流大手GENCO買収と1日当たり平均配送量5%増が寄与
・営業利益はほぼ横ばいの6億300万ドル
・営業利益率は16.9%、前年同期は20.0%

航空貨物
・売上高は1%増の15億7000万ドル、燃料サーチャージの低下が重し
・営業利益は5%増の1億3700万ドル
・営業利益率は8.7%、前年同期は8.4%

2015年度(2015年5月末終了)は、純利益が前年比54.7%減の105億ドルだった。希薄後の1株当たり利益は3.65ドル、前年同期の7.48ドルを大幅に下回る。調整済み利益は17.4%増の25億7000万ドル。調整済み1株当たり利益は8.95ドルとなり、前年同期の7.05ドルから拡大した。売上高は4.2%増の475億ドルだった。

2016年度の希薄後の1株当たり利益は10.60〜11.10ドルとし、中央値は市場予想の10.89ドルを小幅に下回った。設備投資は46億ドルを見込み、フェデックスの陸運ネットワークや貨物輸送の拡大に充てる方針。なお見通しには、買収で合意した蘭TNTの影響を含んでいない。株価は決算と見通しが市場予想に及ばず、株価は一時3%近く落ち込んだ。

バークレイズのアナリスト、ブランドン・オグレンスキー氏はCNBCに出演し「短期的にドル高に伴う産業部門の輸送需要低下が懸念材料」と指摘。貨物機の刷新、利益率の高いエクスプレス部門への注力で成長を確保する狙いがあるものの、「市場は懐疑的」との見方を示した。同氏のフェデックスの格付けは「イコールウェイト」、目標株価は180ドル。

(カバー写真:Christian Junker/Flickr)

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