Fed’s Powell Sees 50% Chance For September Rate-Hike.
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)理事は、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙主催のイベントでFed番記者のジョン・ヒルゼンラスと対談した。その席で、年内2回の利上げが望ましいと発言。同理事は「私の経済見通し、すなわち1−3月期からの力強い成長加速、労働市場の改善継続、インフレが中期的に2%へ回帰するとの信頼感の高まり—−などが実現すれば、9月利上げがありうる」との見方を示した。さらに、9月利上げをめぐり100%の確率を織り込まないものの「50%」を予想。失業率についても低下が一段と加速する可能性を懸念しており、米金利上昇・ドル高・米株上げ渋りを招いた。
9月の利上げ開始に続き、「12月の追加利上げ」も見込む。利上げペースは、緩やかになると述べた。金利正常化への障害として、パウエルFRB理事は「ドル高」を挙げ、輸出競争力の低下が成長の阻害要因になりうるとの見解を寄せている。また欧州には改善の兆しを認めつつ、世界経済の減速にも注意を払った。
——6月16〜17日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)経済・金利見通しで、年内2回以上の利上げを予想する参加者は10名でした。今回の発言でパウエルFRB理事こそ、その一人だったとカミングアウトしたかたちです。FOMC明けの要人発言を振り返ると、2回以上の利上げ織り込む面々にはパウエルFRB理事のほかサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁(今年のFOMC投票メンバー)、クリーブランド連銀のメスター総裁(投票権なし)を含むと考えられます。
高らかに年内2回利上げを予想する裏には、成長回復への自信がちらつきます。米4−6月期成長見通しは、経済指標の改善を追い風に楽観的な見方が広がってきました。アトランタ連銀の試算では16日時点の1.9%から、23日には2.0%まで引き上げられています。
当初の1%割れとは、雲泥の差。
(出所:Federal Reserve Bank Of Atlanta)
エコノミスト予想の概ね2.75%からも、かい離を縮小。米6月雇用統計が5月のモメンタムを引き継げば、マーケットはいよいよ9月利上げヘ向け準備を薦めて来るのでしょう。
(カバー写真:FRB/Flickr)
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