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リッチモンド連銀とマークイット、6月製造業マインドはまちまち

by • June 23, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1379

Manufacturing Index From Richmond Fed And Markit Send Mixed Signals.

米6月マークイット製造業PMI・速報値は53.4となり、市場予想の54.2以下にとどまった。5月確報値の53.8にも届かず。2014年1月以来の水準へ落ち込んだ。内訳をみると、生産が16ヵ月ぶりの水準へ落ち込みヘッドラインを押し下げている。ただし、新規受注が2014年1月以来の水準に落ち込んだ前月の54.5から54.3へ上昇。雇用も前月の54.6から55.0へ上向き、2014年11月以来の高水準だった。

マークイット、年初から伸び悩みを経て下振れ。

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(出所:Markit)

マークイットのクリス・ウィリアムソン主席エコノミストは、結果を受け「4−6月期に成長回復が期待されるものの、今回の結果は製造業の低迷が7−9月期も続く可能性を点灯させた」と振り返った。特に輸出関連やドル高を受け競争力が低下した生産動向に、懸念を示す。雇用の改善や好調なサービス活動は「9月利上げの余地を残す」ものの、製造業活動などが「一段と悪化すれば2016年への先送りも考えられる」とし、慎重なスタンスへシフトさせた。

▽米6月リッチモンド連銀製造業景況指数、新規受注が支え5ヵ月ぶり高水準

米6月リッチモンド連銀製造業景況指数は6となり、前月の1から改善した。4月のマイナス3、3月のマイナス8、2月のゼロを経て、2ヵ月連続で分岐点乗せ。5ヵ月ぶりの高水準に並んだ。

内訳は、以下の通り。ほぼ全ての項目で改善した。

・新規受注 11、2014年10月以来の高水準で2ヵ月ぶりに分岐点乗せ>前月は2
・出荷 0>前月はマイナス1、4ヵ月連続で分岐点割れ
・雇用 4、分岐点乗せトレンドを継続>前月は3、2014年4月以来の低水準
・在庫・最終財 31、2009年6月以来の高水準>前月は21
・仕入れ価格 0.92%、年初来で最高>前月は0.70%
・販売価格 0.52%、5ヵ月ぶり高水準>前月は0.38%

・稼働率 6、2ヵ月連続で分岐点乗せ<前月は7、4ヵ月ぶり高水準
・平均労働時間 5、3ヵ月連続で分岐点乗せ<前月は6
・賃金 17<前月は20、2014年5月以来の高水準

6ヵ月先見通しは新規受注、出荷、平均労働時間が上向いた半面、雇用のほか賃金など労働関連、稼働率や設備投資が低下し、まちまちとなっている。

JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、結果を受け「ISM製造業景況指数に換算すると前月の53.5から54.5へ上向いた」と振り返る。新規受注の大幅上昇も、評価。ただ、在庫については6月に急伸した反動で「まもなく大幅な調整に入る可能性を残す」とも付け加えた。

——米6月マークイット製造業PMIと米6月リッチモンド連銀製造業景況指数はそろって、新規受注で目に見える大幅改善を遂げました。米5月耐久財受注と整合的で、ドル高を背景とした低迷期から脱しつつあるように見えます。とはいえリッチモンド連銀製造業景況指数の見通しは雇用関連、設備投資などが弱い。住宅指標のように、レンジブレークする勢いは未だ感じられません。

(カバー写真:CaterhamF1/Flickr)

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