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米5月新築住宅販売件数、金利上昇を乗り越え約7年ぶり高水準

by • June 23, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1333

New Home Sales Jump To 7-Year High Despite Rising Rates.

米5月新築住宅販売件数は54.6万件となり、市場予想の52.5万件を超えた。2014年11月以来の低水準だった前月の53.4万件(51.7万件から上方修正)を2.2%上回っている。2月の54.5万件を抜け、2008年2月以来の高水準。3ヵ月平均は52.5万件で前月の52.4万件から小幅増加し、2014年10−12月期平均の47.1万件および同年7−9月期の43.4万件を大幅に上回る水準を維持した。

4大地域別では、前月に続き2地域が増加。今回は北東部が87.5%増の3万件、南部も13.1万件とそれぞれ増加に反転した。一方で中西部は5.7%減の6.6万件と3ヵ月ぶりに減少。最も市場規模の大きい南部も4.3%減の31.2万件と、3ヵ月ぶりに減少に転じた。

5月は金利上昇にもめげず、約7年ぶり高水準を達成。
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(出所:Census, My Big Apple NY)

中央価格は、前年同月比1.0%下落の28万2800ドル。7ヵ月ぶりに下落した。前月比でも2.9%下落し、4月の上昇分を打ち消している。在庫件数は前月と変わらず、20.6万件。販売の伸びが在庫を上回ったため在庫は4.5ヵ月相当と前月の4.6ヵ月から短縮し、2013年6月以来の水準となる。

モルガン・スタンレーのテッド・ウィーズマン米エコノミストは、結果を受け「4月分は51.7万件から53.4万件、3月分も48.4万件から49.4万件へ上方修正されており、建設活動の活発化も含め今後も増加トレンドを維持する公算」と評価した。米4−6月住宅投資は、15.5%増を予想。「米4−6月期国内総生産(GDP)に0.5%ポイント寄与し、米4−6月期GDP自体は2.8%増」を見込む。米4月新築住宅販売件数発表当時の1.7%増から、大幅に引き上げた。

米住宅金融公社(FHFA)が発表した米4月住宅価格指数は前月比0.3%の上昇となり、市場予想の0.4%を下回った。前月の0.3%に続き、上昇トレンドを維持している。前年比では2013年5月につけた景気回復サイクルで最高となる8.6%から鈍化トレンドを維持し、5.3%上昇。前月の5.2%は小幅に上回った。住宅バブル期につけた2007年3月時点のピークからは、2.3%下回るに過ぎない。

——住宅着工件数のうち一戸建ての75%が販売向けと踏まえれば、5月は51.2万件。在庫の高まりを示唆せず、持続可能であることを確認しました。ただウィーズマン氏いわく「一部で住宅ローン審査の緩和がみられるものの、全体的には依然として厳格な水準」。また足元でMBA住宅ローン申請件数指数の新規は、伸び悩みをみせています。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙が指摘したように金利上昇と価格上昇の負担が需要を削ぐリスクも拭えず、絶好調な裏で懸念材料も横たわります。

(カバー写真:Steven Martin/Flickr)

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