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米4月S&P/ケースシラーは伸び鈍化、シカゴPMIは分岐点割れ維持

by • June 30, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2899

April S&P Case-Shiller Home Price Index Slows, June Chicago PMI Still Below 50.

米4月S&P/ケースシラー住宅価格指数(季節調整前、20都市別)は前年同月比4.91%上昇の177.01となり、市場予想の5.0%を下回った。前月の4.96%にも届かなかったとはいえ、3ヵ月連続で5%近い伸びを維持。2年11ヵ月連続でプラス圏を保った一方、2013年2月以来の10%割れは保つ。季節調整済み・20都市別の前月比は0.3%の上昇と、市場予想の0.8%を下回った。前月の1.0%から鈍化したとはいえ、8ヵ月連続で上昇している。

住宅価格、直近は5%付近で小動き。

spcaseshiller
(出所:S&P Dow Indices)

前年比では、2−3月に続き20都市すべて上昇。1月の14都市から増加をたどる。トップは前月に2位だったコロラド州デンバーが奪い10.3%と、大幅上昇を示した。2位は3月に1位だったカリフォルニア州サンフランシスコがランクインし10.0%と、コロラド州デンバーと同じく2ヵ月連続で2桁を達成。3位は2−3月に続きテキサス州ダラスで8.8%となる。最も伸びが低い都市は3月に続きワシントンD.C.で、1.1%の上昇にとどまった。次いでマサチューセッツ州ボストンが1.8%、イリノイ州シカゴの2.5%が並んだ。

発表元のS&P ダウ・ジョーンズ指数委員会のデビッド・ビルザー委員長は、結果を受け「全米で上昇を確認したものの伸びは加速していない」と振り返った。ただし「インフレ換算で住宅価格は1975年以降1%ずつ上昇してきたが、インフレが2%以下の現状では実質の住宅価格は通常のペースを上回って伸びている可能性を示す」と指摘。潜在的な買い手が値上がりを理由に、購入にためらう可能性があるとの認識をにじませた。一方で「新築住宅販売件数および中古住宅販売件数、住宅着工件数は好調」とし、「特に一戸建てよりアパートやコンドミニアムが力強い」とコメント。1975年以降、住宅着工件数に占める複合住宅の割合は22%のところ「足元1年間は35%に上昇した」とし、ニューヨークやボストン、シカゴ、サンフランシスコなど大都市では特に一戸建てよりコンドミニアムの値上がりが著しいと説明した。

▽米6月シカゴ購買部協会景気指数、分岐点割れを維持

米6月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は49.4となり、市場予想の50.6を下回った。5月の46.2や4月の46.3から改善しつつ、3ヵ月連続で分岐点割れ。なお2月は45.8と、2009年7月以来の水準へ沈んだ。4−6月期では49.3と、1−3月期の50.5から低下しただけでなく2009年7−9月期以来で最低を迎えた。主な項目の内訳は以下の通り。

新規受注 51.7>前月は47.5
生産 49.8>前月は45.8
雇用 45.7、2009年11月以来の低水準<前月は48.0

直近の弱含みは、2009年以来。
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(出所:MNI Indicators)

発表元のMNIインディケーターズのフィリップ・ウグロウ主席エコノミストは、結果に対し「新規受注は需要の一時的な回復を示したものの、全般的には軟調」と振り返る。4−6月期平均が2009年7−9月期以来で最低だったことも、「雇用にネガティブな影響を与えた」との考えを示した。

BNPパリバのデレク・リンゼー米エコノミストは、「ISM換算では前月から0.3ポイント低下し48.8へ落ち込んだ」と試算。シカゴPMIをはじめ米5月マークイット製造業PMI速報値、一部の製造業景況指数が下振れしたものの、「米6月ISM製造業景況指数はこうしたネガティブ効果を跳ねのけ上昇する」見通しだ。ブルームバーグのエコノミスト予想平均は53.2と、前月の52.8を上回る公算となる。

(カバー写真:John Walker/Flickr)

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