U.S. Private Sector Boosts Employment By The Most In 6-Month.
米6月ADP全国雇用者数は前月比23.7万人増となり、市場予想の22.0万人増を上回った。前月の20.3万人増（20.1万人増から上方修正）に続き2ヵ月連続で20万人を超え、年初来で最高に。2010年2月以来の増加トレンドも維持した。なおADP全国雇用者数は民間のみであり、政府を含まない。
ADP全国雇用者数、3ヵ月平均は20.6万件と大台を回復。
（出所：ADP）
内訳は、以下の通り。
▽企業規模別
中小企業 20.6万人増、増加トレンドを維持＞前月は18.3万人増
大企業 3.2万人増、7ヵ月連続で増加＞前月は1.9万人増
▽業種別
サービス業 22.5万人増、6ヵ月ぶり高水準＞前月は19.2万人増
（米5月ISM非製造業景況指数の雇用は55.7へ低下、前月は57.8と6ヵ月ぶりの高水準、6月分の発表は6日）
・貿易／輸送／公益 5.6万人増＞前月は4.1万人増
・専門／ビジネス・サービス（派遣を含む） 2.8万人増＜前月は3.5万人増
・金融 1.2万人増、3ヵ月ぶり高水準＞前月は0.6万人増
財生産業 1.2万人増＞前月は1.1万人増
（米6月ISM製造業景況指数の雇用は前月の51.7から、55.5へ上昇）
・製造業 0.7万人増、4ヵ月ぶりに増加＞前月は0.2万人減
・建設 1.9万人増＜前月は2.8万人増
ADPとともに統計を担当するムーディーズ・アナリティクスのマーク・ザンディ主席エコノミストは、結果を受けて「米国の雇用は高水準を維持し、労働年齢に合わせた人口の伸びを吸収するペースの2倍に相当する」と評価した。エネルギー関連のみが引き続き下押しする程度で、「中小企業に及び雇用の裾野が広がっている点は心強い」と結ぶ。
JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、「雇用統計・非農業部門就労者数（NFP）の民間就労者数とADP全国雇用者数のかい離幅は、過去数年間4.5万人増」と指摘しつつ、「6月のADP結果は市場予想と整合的」と指摘。米6月雇用統計・NFP予想を23.0万人増、民間就労者数は22.0万人増と掲げた。ブルームバーグでの米4月雇用統計・NFP予想は、23.0万人増である。
——米6月ADP全国雇用者数は3ヵ月平均でも20万人台へ切り返し、米6月雇用統計・NFPも堅調な数字が期待されます。ギリシャ債務危機をはじめ金融市場にボラティリティの波が直撃していますが、Fedとしても労働市場の改善を無視できないのでは？ダドリーNY連銀総裁、フィッシャーFRB副議長が9月利上げの可能性を排除せず平常運転だった点は、留意しておきたいところです。
（カバー写真 : PresseBox.de flickr/Flickr）
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