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米6月チャレンジャー人員削減予定数は増加、エネルギー関連の減少寄与せず

by • July 1, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1761

Job Cuts Increase In June While The Oil Related Layoffs Decrease.

米6月チャレンジャー人員削減予定数は、前年同月比42.7%増の4万4842人だった。6ヵ月ぶりに減少した前月から、増加トレンドへ戻している。前月比では9.3%増と、こちらも増加に反転。原油安を背景にしたエネルギー産業での人員削減が大幅に鈍化したものの、他セクターで増加していた。なお6月は0.6%にとどまり、5月の2.5%、4月の34%、3月の35%、2月の38%、1月の40%から大幅に縮小した。

4大地域別では、1地域のみ増加。5月の2地域から、減少した。今回は中西部が195.7%増の2万3321人と急増し、ヘッドラインを押し上げている。北東部は10.1%減の1万5917人、エネルギー産業に依存する南部も64.4%減の2012人とそれぞれ減少。ITの雇用がけん引してきた西部は63.4%減の3592人と、2ヵ月連続で減少した。

人員削減予定数、トレンドは上向き。

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(出所:Challenger, Gray And Christmas)

上半期では前年同期比16.9%増の28万7672人となり、2010年以来で最悪を記録した。原油安を背景としてエネルギー関連が足を引っ張り6万500人で、全体の21%を占める。次いで、小売が68.3%増の4万5230人となった。

発表元であるチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスのジョン・チャレンジャー最高経営責任者(CEO)は、上半期の結果を受け「小売はガソリン価格の下落という恩恵に浴するはずだったものの、消費者は貯蓄にいそしんでいた」と振り返る。ただ足元の指標は、「ようやく個人が財布の紐を緩めつつある兆候を示す」と評価した。

1−6月に人員削減が多かったセクター、ランキングは以下の通りで%は前年同期比を示す。ヘルスケアが圏外から脱し、代わりに化学が入った。

1位 エネルギー 1448%増の6万500人
2位 小売 68.4%増の4万5230人
3位 産業財 107%増の2万6541人
4位 金融 23%減の1万6477人
5位 化学 936%増の1万5686人

6月人員削減予定件数のセクター別をみると、1位は小売で1万7947人で、2位は化学で9260人、3位は金融で2100人となる。

リストラ実施の理由、6月のランキングは以下の通り。再編、閉鎖、コスト削減の御三家に加え需要低下は前月と変わらずながら、M&Aの代わりに今回は経済状況が加わった。

1位 再編 1万7280人 年初来 8万6978人
2位 閉鎖 2万1287人 年初来 5万6325人
3位 コスト削減 3285人 年初来2万3629人
4位 需要低下 875人 年初来 1万7362人
5位 経済状況 500人 年初来 2363人

採用予定人数は1万1176人と、前月の1万2598人から減少した。1位は4−5月の2位から浮上し自動車がランクイン、2071人となり前月の2305人に続き大幅増を達成した。2位は小売で1690人となり、前月の5210人に続き4ヵ月連続で増加をたどる。3位は前月の通信が外れヘルスケアが入り、1240人だった。

——人員削減予定件数は増加トレンドに戻した上、人員削減の理由に「経済状況」が顔を覗かせていました。ゴールドマン・サックスが早くから予想したように、労働市場の過熱感が薄れる気配を感じさせます。米6月雇用統計は勢いを保つでしょうが、労働生産性や潜在成長率の低下といった不安要因にも留意しておきたいところです。

(カバー写真:Dave Collier/Flickr)

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