Apple Watch Sales Tanking, Microsoft Cutting Up To Another 7800 Jobs.
中国株安が火を噴き、ギリシャ支援協議をめぐる不透明性が高まるなか、アメリカ国内でもバッド・ニュースが飛び込んできました。
まずはアップル。満を持して4月10日に「アップル・ウォッチ」の先行予約を開始したものの、売上ペースは急激にモメンタムを失ってしまいました。調査会社スライスのデータを元にマーケットウォッチが伝えたところ、1日当たりの販売本数は2万本を下回り、ひどい時には1万本に届かず。発売初週は150万本で1日当たり20万本とされていますから、実に90%も沈んだ計算となります。
2015年販売本数、見通しレンジ下限どまりか?
(出所:Marketwatch)
挙げ句の果てに、売れ行きの3分の2を占めたのは349ドル(日本では4万2800円)からの廉価版「スポーツ」でした。豪華に18金をあしらった1万ドル(日本では128万円)からの最高級版「エディション」は、2000本以下という体たらく。女性誌「ヴォーグ」で12ページにわたるぶち抜き広告を展開したものの、富裕層の女性ファッショニスタのハートは掴めなかった。
「アップル・ウォッチ」の失速は、中国株安とも無縁ではないでしょう。18金の「エディション」は、iPhoneの成功例を礎にゴールドをお好みの中国人に照準を当てていたはずです。こちらでご紹介したように、アメリカ人をはじめ評価が芳しくなかった「アップル・ウォッチ」の販売けん引役として中国が挙がっていました。アップルは「アップル・ウォッチ」の販売本数を発表していませんが、4−6月期決算で明らかにするのでしょうか。
いつもながら、アップルから悪材料が飛び出すとグッド・ニュースで相殺する動きが出て来るのは興味深い。同じ日、マーケットウォッチと同じくニューズコープ傘下のウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙は、アップルが製造請負業者に新型iPhoneを8500万〜9000万台発注したと伝えました。2014年に発売した「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」の7000万〜8000万台を超え、過去最高に及びます。また、以前から報じられるように押す圧力=感圧で操作できる「フォース・タッチ」を採用する公算。新型「iPhone 6S」、サイズは日本版エンガジェットによると4.7インチと5.5インチで2パターンのサイズ展開を続ける構えです。ただし厚さは「iPhone 6」の6.9mmから、7.1mmへアップするといいます。iPhoneといえば、製造元が中国に工場を置く鴻海精密工業(フォックスコン)。中国株安の影響から、皆無でいられるでしょうか。
もうひとつ。マイクロソフトは、新たに最大7800人もの人員削減に踏み切ります。ノキアのスマートフォン部門買収に絡む減損費用76億ドルを計上するなか、ハードウェア部門の再編の一環として決断した格好。さらに退職金などの費用として7億5000万〜8億5000万ドルを充てる方針です。
サティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は、従業員向けの電子メールで「数ヵ月」の間に実施する見通しを表明。また「スマートフォン事業単独での成長戦略から、力強いウィンドウズ体系を創造するための戦略へ変更する」とし、「長期的に携帯端末部門を改革する能力を取り戻すとともに、短期的には効果的で焦点を置いたスマートフォン事業体制を敷いていく」と説きます。
今回の人員削減は、2014年に発表した1万8000人もの大規模なリストラに続くもの。株価は発表を好感しNY時間の午前中に一時1.0高を示し、ダウ平均構成銘柄で唯一上昇していました。ただしギリシャ債務危機や中国株安も重なって企業業績への不安が募るなか、下半期の雇用増加ペースに疑問を投げかけます。
(カバー写真:LWYang/Flickr)
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