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NY証券取引所、システム障害で取引停止

by • July 8, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off4980

All Trading Halted On NYSE, United Airlines And WSJ Also Hit With ‘Glitch’.

7月8日は、アメリカで大規模システム障害が発生した日として記憶に刻まれることになるでしょう。

NY時間午前11時32分、突如ニューヨーク証券取引所(NYSE)で全ての銘柄が取引停止となりました。かれこれ2時間以上経ちますが、未だに取引が再開されるメドは立っていません。NYSEでの取引が対象となっており、当然ながらオーダーは全てキャンセルされました。

NYSE、サイバー攻撃は完全否定しています。

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(出所:NYSE/Twitter)

ブルームバーグによると、NYSEはナスダックを含み11を数える取引所のひとつに過ぎません。また、NYSEグループ傘下の電子取引所であるNYSEアーカやオプション市場のNYSE AMEXは正常に稼働中。バッツ・グローバル・マーケッツなど民間取引プラットフォームになると50以上も存在し、NYSE自体が占める全米の株式取引シェアは30%以下とあって、今回のシステム障害でもダウ平均やS&P500をはじめ個別銘柄は粛々と売買されています。

ダウ平均は午前11時32分前に200ドル以上の下げ幅を記録していたものの、NYSEの取引停止後から約2時間半近く経過した後に170ドル安へ小幅に縮めました。むしろドル円で円高圧力が高まっており、NYSE取引停止以前に121円を割り込むと一時120.60円台まで下落しています。

本日は、NYSEだけがシステム障害の犠牲になっただけではありません。NY時間の午前8時頃、ユナイテッド航空がネットワーク障害に見舞われ全米で一時運航を停止しました。およそ2時間にわたり約4900便が影響を被り、乗客が長蛇の列を成して動向を見守るしかない状況に陥ったものです。ユナイテッド航空は今回の原因として「ルーターの問題がネットワーク接続に支障をきたした」と説明し、サイバー攻撃の可能性を挙げていません。ちなみにシステム障害は、6月2日に続き2回目。コンチネンタル航空との統合後、混乱が続きます。

さらに、ニューズコープ傘下のウォールストリート・ジャーナルまでサイトが一時ダウンする有様です。ニューヨーク証券取引所で現地時間午前11時32分からシステム障害が発生する最中、ユナイテッド航空のネットワーク障害に続き全米で3例目となります。

米国が誇るクオリティ・ペーパーのWSJまで、ご覧の有様。
wsj
(出所:WSJ)

サイバー攻撃を相次いで否定するものの、市場関係者の間では「中国」の文字が浮かび上がっています。米下院国土安全保障委員会のマイケル・マコール委員長(共和党、テキサス州)は6月7日、一連の米政府へのサイバー攻撃が「中g国政府によるもの」と発言したことが思い出されます。ルー米財務長官も、米中戦略対話を前に「サイバー攻撃に対する中国政府の深い関与を懸念する」と言い切っていましたね。

おまけに8日は、上海総合指数が前日比5.9%安の3507.19で引けました。中国・本土株式市場全体の71%の銘柄が売買停止、もしくはストップ安を迎えたといいます。ニューヨーク市場関係者からは、「中国投資家が売買可能で流動性の高い米株目がけ、換金売りに動いたのでは」との声まで聞かれる始末。ホワイトハウスのアーネスト報道官は「サイバー攻撃を示す兆しはない」、「NYSEに対し悪意のある行動を確認していない」とコメントし、米財務省とともに動向を見守ると発言するにとどめました。米連邦捜査局(FBI)もNYSEに対し法的処置は現時点で必要ないとの見解を明らかにしており、米当局は今回の一件をシステム障害で片付けようとする姿勢が伺えます。

(カバー写真:My Big Apple NY)

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