Wholesale Inventories Post Biggest Gain In 6 Months.
米5月卸売在庫は前月比0.8%増となり、市場予想の0.3%増を上回った。前月の0.4%増も超え、6ヵ月ぶりの高い伸びを示す。非耐久財が1.2%増と前月の1.0増と合わせ2ヵ月連続で力強い伸びを達成し、全体に寄与。耐久財も0.6%増と4ヵ月ぶりの高水準を遂げ、増加トレンドを維持した。耐久財のうちコンピューターが2.5%増となり、前月の減少を打ち消し。自動車も1.2%増と、引き続き支えている。機械も0.7%増で、増加トレンドを保った。
卸売売上高は0.3%増となり、市場予想の0.9%増に届かず。もっとも、前月の1.7%に続きプラス圏を保った。在庫の伸びが売上高を上回ったものの、在庫相当は前月と変わらず1.29ヵ月。前年同月の1.19ヵ月を超える水準を維持した。
バークレイズのジェシー・ヒューウィッツ米エコノミストは、結果を受け「耐久財と非耐久財で幅広く増加を確認した」と振り返った。その上で、卸売在庫の大幅増加を背景に在庫投資の寄与度が高まると予想。米4−6月期GDP見通しを「従来の3.5%増から3.7%増」へ上方修正した。
——米5月貿易収支に続き、米4−6月期GDPが堅調な回復を遂げる望みをつなげました。今年の投票メンバーであり年内据え置きを主張するシカゴ連銀のエバンス総裁は9日、利上げ開始時期を「2016年半ば」へ先送りするよう主張。反対に同じ日、タカ派で知られるカンザスシティ連銀のジョージ総裁(投票権なし)は「すぐにも」利上げすべきと強調しており、それぞれ認識は両極端でした。少なくとも4−6月期の成長率だけを切り取ると、ジョージ総裁に分があるように見えます。一方、ハト派の雄であるエバンス総裁にとっては、卸売売上高の前年同月比が3.4%減と金融危機以来の最悪を記録していた点は見逃せない。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長はこれから行う講演で、どのようなバランス感覚を発揮するのでしょうか。
(カバー写真:Washington State Dept of Transportation/Flickr)
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