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ダウ、米銀決算前に年初来リターンをプラスヘ戻す

by • July 13, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2434

Dow Back In The Black For The Year, Now Focus Is On Bank Earnings.

米株は13日、ユーロ圏首脳会合でギリシャ第3次支援の枠組みをめぐり合意したため大きく3日続伸しました。

ダウ平均  17977.68 +217.27 +1.22%
S&P500  2099.60 +22.98 +1.11%
ナスダック 5071.51 +73.82 +1.48%

ダウ平均は2日以来の18000ドル乗せに至らなかったとはいえ、年初来リターンは6月26日以来のプラス圏を回復。終値では6月23日以来の高値をつけ、一目均衡表・雲の下限と50日移動平均線を超えていきました。S&P500も一時は50日移動平均線を回復し、終値で6月26日以来の2100p回復に迫ります。 ナスダックは一目均衡表や50日移動平均線を抜け、5000p台を取り戻しただけでなく6月26日以来の高値で引けました。

S&P500のセクター別動向では、前週末にパフォーマンスが最低だったITが1.62%高でトップに立っています。おかげ様で、ナスダックは大きく窓を開けて寄り付き、テクニカル的な節目を軽々と抜けていきました。

ナスダック、他の指数と比べ目覚ましい勢い。

nasdaq

ダウ、ようやく低迷から脱出。

dow
(出所:Stockcharts)

本日はアップルに好材料が飛び出し、株価は1.9%高で引け。世界全体で1000社近くあるスマートフォン製造会社のうち、アップルだけで利益をほぼ独占していることが分かったのです。カナダの投資銀行カナコード・ジェニュイティのマネージング・ディレクター、マイク・ウォークリー氏の調査によると、1−3月期のスマホ・メーカー上位8社の営業利益の合計に占めるアップルの割合は92%と、前年同期の65%から上昇。韓国のサムスンは15%に過ぎませんでした。利益率が他の追随を許さないほどの高水準を誇る背景は、価格設定にあります。米調査会社ストラテジー・アナリティクスによると、2014年における世界での平均販売価格はiPhoneが624ドル(約7万6100円)、アンドロイド搭載のスマホで185ドル(約2万2600円)と、その差は歴然としていました。

アップルのモバイル決済システム「アップル・ペイ」が、英国で展開されることも分かっています。米国以外でのサービス開始は、今回が初めて。対象はiPhone 6とiPhone 6 Plusのユーザーで、「アップル・ウォッチ」でも対応可能だとか。HSBC UKのツイッター・アカウントで明らかになっており、正式に始動するあかつきにはドラッグストアのブーツや郵便局など約25万店舗で利用できる見通しです。

その他ソシエテ・ジェネラルは、アップルの投資判断を従来の「保有」から「買い」ヘ引き上げました。新型iPhoneへの業績期待を理由に挙げています。

悪材料もございました。米公正取引委員会(FTC)は、6月30日に開始した「アップル・ミュージック」に絡み反トラスト法違反の疑いで調査を行うか検討に入ったといいます。アップルのアプリケーション購入プラットフォーム「アプストア」でアプリを取得した場合、アップルは30%の手数料を受け取る仕組みを採用。しかし音楽ストリーミング・サービス大手のスポッティファイなどにもこのルールを適用しており、「アップル・ミュージック」との競争を阻害する懸念が浮上しています。スポッティファイと「アップル・ミュージック」は月額9.99ドルと同じ設定ですが、スポッティファイはアプストア購入者向けに12.99ドルへ引き上げており、iPhoneユーザーにアプストアでのダウンロードを回避するよう呼びかけていました。

ウォルマートも上昇し、1.0%高で引け。米小売最大手は、国内のオンライン販売で大規模なセールを15日から3ヵ月にわたって展開すると発表しました。対象商品は電化製品、衣類、玩具など2000に及ぶ見通しで、「スペシャル・アトミック・セール」と銘打った特別セールも盛り込みます。オンライン小売大手アマゾンが20周年を記念して15日に展開するプライム(有料、月額99ドル)会員向け大幅値引きイベント、「プライム・デー」に対抗する構え。また13日から少なくとも30日間にわたり、送料無料の最低購入額を50ドルから35ドルに引き下げます。ただし、アマゾンも2.7%高で取引を終えました。

ウォルマート、「なぜセールに参加するのに100ドル払わなくてはいけないの?」と皮肉たっぷり。

walmart
(出所:Walmart

アリババも上昇、1.9%高で引け。中国証券監督管理委員会(CSRC)が中国オンライン小売最大手アリババ・グループの傘下にある金融情報テクノロジー会社、恒生電子を調査中というニュースが伝わってきました。CSRCは短文投稿サイトの微博(ウェイボー)で明らかにしましたが、詳細には触れていません。現地では中国株急落の一因が同社製プラットフォーム「HOMS」が原因と報道、同社はジャック・マー会長が経営権を握る恒生電子はこれを否定しているといいます。アリババ株はこうしたニュースに反応せず、上海総合など中国株の続伸に支えられました。

さて、14日から米銀決算が相次ぎます。JPモルガン・チェースとウェルズ・ファーゴを予定していますが、シティグループのアナリスト、キース・ホロウィッツ氏とマイケル・クローニン氏は銀行決算に慎重モード。1)純金利マージンの低下、2)トレーディング部門、特に債券と為替・商品で苦戦、3)投資銀行部門の減速——を理由に挙げています。

気になる米銀大手、4−6月期の1株当たり利益はどうなるのでしょうか?1株当たり利益の予想、過去1年間における1株当たり利益と市場予想、および結果に対する市場予想とのかい離は以下の通り。4−6月期の1株当たり利益予想は、ザックス・インベストメントが集計したアナリスト平均となります。

▽JPモルガン 決算発表日 14日 過去1年間 2勝2敗
2015年4−6月期 1株当たり利益の市場予想は1.45ドル
2015年1−3月 1株当たり利益 1.45ドル>市場予想 1.39ドル  4.32%のプラス
2014年10−12月 1株当たり利益 1.19ドル<市場予想 1.3ドル 8.46%のマイナス
2014年7−9月 1株当たり利益 1.36ドル<市場予想 1.39ドル 2.16%のマイナス
2014年4−6月 1株当たり利益 1.46ドル>市場予想 1.3ドル 12.31%のプラス

▽ウェルズ・ファーゴ 決算発表日 14日 過去1年間 1勝3分
2015年4−6月期 1株当たり利益の市場予想は1.04ドル
2015年1−3月 1株当たり利益 1.04ドル>市場予想 0.98ドル  6.12%のプラス
2014年10−12月 1株当たり利益 1.02ドル=市場予想 1.02ドル ±0%
2014年7−9月 1株当たり利益 1.02ドル=市場予想 1.02ドル ±0%
2014年4−6月 1株当たり利益 1.01ドル=市場予想 1.01ドル ±0%

▽バンク・オブ・アメリカ 決算発表日 15日 過去1年間 3勝1敗
2015年4−6月期 1株当たり利益の市場予想は0.36ドル
2015年1−3月 1株当たり利益 0.27ドル<市場予想 0.29ドル  6.9%のマイナス
2014年10−12月 1株当たり利益 0.32ドル>市場予想 0.31ドル 3.23%のプラス
2014年7−9月 1株当たり損失 0.01ドル>市場予想 0.09ドル 88.89%のプラス
2014年4−6月 1株当たり利益 0.31ドル>市場予想 0.29ドル 6.9%のプラス

▽シティグループ 決算発表日 16日 過去1年間 3勝1敗
2015年4−6月期 1株当たり利益の市場予想は1.35ドル
2015年1−3月 1株当たり利益 1.52ドル>市場予想 1.39ドル  9.35%のプラス
2014年10−12月 1株当たり利益 0.06ドル<市場予想 0.09ドル 33.33%のマイナス
2014年7−9月 1株当たり損失 1.15ドル>市場予想 1.12ドル 2.68%のプラス
2014年4−6月 1株当たり利益 1.24ドル>市場予想 1.08ドル 14.81%のプラス

▽ゴールドマン・サックス 決算発表日 16日 過去1年間 4勝
2015年4−6月期 1株当たり利益の市場予想は0.73ドル
2015年1−3月 1株当たり利益 5.94ドル>市場予想 4.18ドル  42.11%のプラス
2014年10−12月 1株当たり利益 4.38ドル>市場予想 4.29ドル 2.1%のプラス
2014年7−9月 1株当たり損失 4.38ドル>市場予想 3.22ドル 41.93%のプラス
2014年4−6月 1株当たり利益 4.10ドル>市場予想 3.07ドル 33.55%のプラス

▽モルガン・スタンレー 決算発表日 20日 過去1年間 3勝1敗
2015年4−6月期 1株当たり利益の市場予想は0.73ドル
2015年1−3月 1株当たり利益 0.85ドル>市場予想 0.79ドル  7.59%のプラス
2014年10−12月 1株当たり利益 0.39ドル<市場予想 0.47ドル 17.02%のマイナス
2014年7−9月 1株当たり損失 0.77ドル>市場予想 0.54ドル 42.59%のプラス
2014年4−6月 1株当たり利益 0.60ドル>市場予想 0.55ドル 9.09%のプラス

(カバー写真:Scott Beale/Flickr)

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