J&J Earnings Top Estimates Despite Strong Dollar, Lifts Outlook.
医薬品・日用品大手のジョンソン・エンド・ジョンソンが発表した4−6月 (第2四半期)決算で、純利益は前年同期比4.4%増の45億1600万ドルだった。一時的項目を除く調整済み1株当たり利益は 1.71ドルと、市場予想の1.68ドルより強い。売上高は8.8%減の177億8700万ドルとなり、市場予想の177億6000万ドルを上回った。ドル高の影響で7.9%押し下げられ、1−3月期の7.2%から悪化したため。国・地域別では、米国での売上が2.4%減の89億1100万ドルだったほか、海外は為替差損が14.8%に及んだため14.3%減の88億7600万ドルとなる。買収・再編などを除く営業ベースでは1.7%増(海外が2.7%増、米国内が0.6%増)だった。
売上高の部門別動向は、以下の通り。
医薬品部門は6.6%減の79億4600万ドル。これまで売上のけん引役だったC 型肝炎治療薬「オリシオ」はギリアド・サイエンシズの「ソバルディ」や「ハルボニ」、アブビーの「ビエキラ・パック」との競争激化により、68.2%減の2億6400万ドルへ落ち込んだ。後発医薬品に圧され、関節炎治療薬「レミケード」も7.5%減の16億6800万ドルと失速している。一方で、抗血栓薬「ザレルト」が30.7%増の4億7200万ドルとけん引たる役割を維持。そのほか関節炎治療薬の「シンポニー」が9.2%増の3億800万ドル、乾癬治療薬「ステラーラ」も8.0%増の5億7000万ドルと支えた。医薬品は総売上高の約44.7%を占め、1−3月期の44.5%から若干上昇した。
・米国が1.5%減の34億300万ドル
・海外が12.7%減の34億300万ドル、為替変動を含む場合は16.5%減
医療機器部門は12.2%減の63億5800万ドル
・米国は5.8%減の30億1300万ドル
・海外は17.3%減の33億4500万ドル、為替変動を含む場合は13.4%減
消費者部門は7.0%減の34億8300万ドル
・米国は2.7%増の13億5500万ドル
・海外は12.2%減の21億2800万ドル、為替変動を含む場合は14.3%減
J&Jは1−3月期にX01を買収し、抗血栓薬「ザレルト」に次ぐヒット商品を生み出す余地を残す。またHIV治療薬「Prezcobix」も、米当局から承認されたばかりだ。また4月13日にはIBMがJ&J、アップル、メドトロニックとの提携を発表。アップルのモバイル端末で収集した医療・健康関連の情報を分析しデータを管理する取り組みを行う。
決算と合わせ、J&Jは2010年に1億3500万本に及ぶ薬品ボトルのリコール(回収・無償修理)を余儀なくされたペンシルベニア州フィラデルフィアの工場を再稼働させる方針を明らかにした。米食品医薬品局(FDA)が承認すれば、設備最新化を背景に非処方箋医薬品の生産が増加する可能性を示す。
2015年の1株当たり利益は6.10〜6.20ドルを見込み、従来の6.04〜6.19ドルから引き上げた。ただドル高の逆風を意識したためか、1月時点の6.12〜6.27ドルには届いていない。売上が市場予想を上回ったものの、ギリシャ債務危機や中国株安を受けたリスク・オフに伴うドル高が取り沙汰され、株価は0.5%安で引けた。
(カバー写真:Drug Justice)
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