Earnings Roundup : GE, Honeywell, Mattel, AMD.
17日および16日引け後に決算を発表した注目企業をお伝えします。
▽ゼネラル・エレクトリック、決算は予想を上回り産業部門の見通しも上方修正
複合大手が発表した4−6月(第2四半期)決算は、純損益が13億6000万ドルの赤字となり前年同期の35億4500万ドルの黒字から反転した。1株当たり損益は0.13ドルの赤字。金融部門GEキャピタルの不動産売却部門売却などに絡んだ費用を除く、継続事業ベースの利益は16%増の35億8300万ドル。同1株当たり利益は0.31ドルと、市場予想の0.28ドルより強い。売上高は1.5%減の327億5400万ドルと、市場予想の287億ドルを上回った。産業部門の売上高は0.1%減の268億7500万ドル。為替変動を除くベースでは、5%増だった。
部門別の純利益・売上の内訳は、以下の通りで%は前年同期比。
>航空部門
純利益 6%増の12億6900万ドル、 収入 3%増の62億5200万ドル
>電力・水処理
純利益 8%増の12億2100万ドル 収入 8%増の68億100万ドル
>ヘルスケア部門
純利益 3%減の7億500万ドル 収入 3%減の43億3700万ドル
>石油・ガス事業部門
純利益 12%減の5億8300万ドル 収入は15%減の40億6200万ドル
>輸送部門
純利益 23%増の3億3100万ドル 収入 9%増の14億2000万ドル
>家電・照明部門
純利益 62%増の1億6500万ドル 収入は5%増の22億3500万ドル
>エネルギー管理部門
純利益 19%増の8200万ドル 収入 5%減の17億6800万ドル
産業部門は利益から受注動向、粗利益率まで明るい内容。
(出所:GE)
GEは金融部門GEキャピタルをはじめ不動産売却など金融部門の撤退に着手しており、16日の発表ではこれまでに680億ドルの売却を進めた。年末までの目標1000億ドルが視野に入る。なお仏アルストムの買収は、欧州当局が反トラスト法違反の可能性を理由に承認を済ませていない。
2015年の産業部門における1株当たり利益を1.13〜1.20ドルとし、従来の1.10〜1.20ドルから引き上げた。ジェフリー・イメルト最高経営責任者(CEO)は、決算資料にてエマージング市場を中心に「鈍い成長と高いボラティリティという環境が続いており、米国は徐々に改善しつつある」との見解を示した。決算と見通しを受け、株価は一時0.6%上昇した。
▽ハネウェル・インターナショナル、予想上回る業績で見通しも引き上げ
航空機部品メーカー大手が発表した4−6月(第2四半期)決算で、純利益は前年同期比0.8%増の11億9000万ドルだった。希薄後の1株当たり利益は9%増の1.51ドルと、市場予想の1.49ドルより強い 。売上高は5.6%減の97億8000万ドルと減収に転じつつ、市場予想の97億4000万ドルを上回った。ドル高が重しとなっており、中核の既存事業売上高は3%増となる。利益率は18.4%となり、前期の16.7%から上昇。営業利益率も17.6%と、前年同期の15.4%を上回った。利益率改善への努力が見を結んだかたちだ。
部門別の内訳は、以下の通りで%は前年同期比。
>航空宇宙
純利益 2%増の7億7700万ドル 売上高 5%減の38億2700万ドル、利益率 20.3%>前年同期は18.4%
>オートメーション・コントロール・ソリューションズ
純利益 6%増の5億3300万ドル 売上高 1%減の35億5300万ドル 利益率 16.0%>前年同期は14.8%
>パフォーマンス・マテリアル・テクノロジーズ
純利益 7%増の5億900万ドル 売上高 9%減の23億9500万ドル 利益率 21.3%>前年同期は18.0%
2015年の年金基金の評価額を除くベースで1株当たり利益の予想レンジを6.05〜6.15ドルとし、従来の6.00〜6.15ドルから引き上げた。 売上高見通しについては390億〜396億ドルで据え置き。年金基金の評価額を除くベースでの営業利益率は17.4〜17.7%から17.5〜17.4%へ引き上げた。
デーブ・コート最高経営責任者(CEO)は、決算資料にて「コア既存事業売上高で3%増を達成し、利益も税率を標準化した場合に2桁増を遂げている」と指摘。長期的、短期的ともに「成長の加速がみられる」と自信を深めた。決算と見通しを好感し、株価は一時2%上昇した。
▽マテル、ドル高に耐えきれず主力部門が軒並み減収
玩具製造大手が16日引け後に発表した4−6月(第2四半期)決算では、純損益が1140万ドルだった。前年同期の2830万ドルから赤字を計上している。希薄後の1株当たり損失は0.03ドルと、市場予想の0.04ドルから赤字幅を縮小。調整済み1株当たり損益は0.01ドルの黒字となる。売上高は7.0%減の9億8820万ドルで、市場予想の9億9500万ドルを下回った。ドル高が引き続き業績の重しとなっており、為替変動を除く売上高は1%増だったという。
主力部門ガールズ&ボーイズ・ブランドは13%減の6億180万ドルに落ち込んだ。為替変動を除く場合でも、3%減。内訳は目玉商品の「バービー」が 19%減の1億3030万ドルとなり、為替変動を除く場合でも11%減と著しい。その他女児向けブランドも17%減の1億7590万ドルと2桁の落ち込みをみせ、為替変動を除く場合は11%減だった。ゲームなどの「エンタテインメント」も24%減の1億3500万ドルで、為替変動を除く場合も16%減。「ホットウィールズ」や「マッチボックス」を含む「ウィールズ」のみ好調調で、15%増の1億6060万ドル。為替変動を除くベースで24%増と伸びを広げた。
他部門の売上高は、「フィッシャープライス・ブランド」が2%増の3億3680万ドル、「アメリカンガール・ブランド」は1%増の8420万ドル。 「MEGAブランド」を含む組立・アート&クラフトブランド部門は、5.2%増の6480万ドルだった。
地域別では、北米が3%減の5億8360万ドル。為替変動を除くベースでも2%減だった。海外は10%減の5億1150万ドルで、為替変動を除くと5%増に伸びた。主力部門が軒並み減少したため、株価は一時4.4%落ち込んだ。
▽アドマンスド・マイクロ・デバイシズ、売上が直前予想以上に悪化
半導体大手が16日引け後に発表した4−6月(第2四半期)決算では、純損失が前年同期比5倍増の1億8100万ドルだった。株式報酬や生産移転を除く調整済み1株当たり損失は0.17ドルと、市場予想と一致した。売上高は34.6%減の9億4200万ドルとなり、4月時点の従来予想から引き下げた7日発表文の9億4800万ドルおよび市場予想の9億5000万ドルを下回った。
売上動向をみると、パソコン需要の低下が足を引っ張りコンピューター・グラフィック部門が54%減と落ち込みが激しい。エンタープライズ・エンベディッド・セミカスタム部門(ゲーム端末機などPC以外の需要向け)は13%増だった。7−9月期の売上高は、前期比3%〜9%増を見込む。7日に下方修正した数字より弱い売上を発表し、株価は一時3.2%下落した。
(カバー写真:Stock Market Video)
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